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ブレイク間近。春季キャンプで注目したいニューフェイスたち (3ページ目)

  • 津金一郎●文 text by Tsugane Ichiro
  • 益田佑一●写真 photo by Masuda Yuichi

 選手層の厚い巨人で心境著しいのが今村信貴(19歳)だ。2011年に太成学院大高からドラフト2位で入団したサウスポーは、1年目にイースタンリーグでノーヒット・ノーランを達成し、2年目の昨季は終盤に一軍初昇格を果たすと、9月23日の広島戦でプロ初勝利をマーク。日本シリーズでもリリーフとして登板し、球持ちの長いフォームから、威力のあるストレートとスローカーブで打者を翻弄した。

 プロ野球解説者の与田剛氏は「ストレートの速さ、変化球のキレはもちろんだけど、けん制やクイックなど、投手にとって必要な素養を持っている。昨年の日本シリーズでも堂々としたピッチングを見せていたし、まだまだ伸びしろがある。巨人先発陣は層が厚いけど、ローテーションに入るだけの力は持っている」と見ている。

 原辰徳監督は、今村の1年先輩の宮國椋丞を育てた際には、優先的にチャンスを与えた。だが、今村に対しては「ない」と言う。これは宮國よりも劣ると見ているからではなく、今村なら厳しい戦いを自らの力で這い上がれると信じているためだ。一軍スタートとなった今村にとって、春季キャンプは開幕一軍の切符を手にするかの長い戦いになる。

 この5選手以外にも楽しみな存在は多い。昨季は開幕スタメンを勝ち取りながらも打撃に課題を残して守備固めとなった西武の永江恭平(20歳)は、この春季キャンプで再びショートの定位置獲りに挑む。FAの人的補償で正捕手の鶴岡一成(阪神)が抜けた横浜DeNAでは、高城俊人(20歳)がスタメンマスクの座を狙っている。また、ルーキーイヤーに7勝を挙げながら、昨年はわずか1勝に終わった楽天の釜田佳直(20歳)も再ブレイクを期している。

 プロの水に慣れ、キャンプの過ごし方もわかってきた彼らの一軍生き残りをかけた戦いの日々を追うのも、春季キャンプの楽しみ方のひとつだ。

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