20年データで歴然。阪神の「助っ人補強」はセ界ワースト (3ページ目)

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

 過去20年の助っ人たちがタイトルを獲れないのは仕方ないにしても、シーズン100試合以上に出場した選手でさえ10人しかいない。レギュラーすらままならない選手がほとんどということになる。1997年に来日したマイク・グリーンウェルは7試合に出場しただけで、「神のお告げ」と謎の言葉を残し帰国。2000年に日本ハムからトレードで獲得したマイカ・フランクリンは8試合の出場で解雇。このように他のチームではあまり考えられないことが、阪神には起きていたのだ。

 なぜ、阪神の外国人はこれほどまでに「外れ」が多いのか。評論家の中西太氏は次のように語る。

「外国人選手は活躍して当たり前と思っているけど、すぐに結果を出せる選手はごく稀(まれ)。ところが、すぐに結果を出さないと契約を延長しない。選手の欠点ばかりを探して、長所を見ようとしない。もっと長い目で見てあげないと」

 史上最強の助っ人と呼ばれたバースも1年目から3割を打ったわけではない。やはり自信を持って獲得した選手に対しては、ある程度の辛抱も必要だろう。もちろん、結果を出せない選手に問題があるのは当然だが、本当に彼らが気持ちよくプレイできているのか疑問が残る。選手を獲ることも大事だが、じつはその後の育成やケアの方がもっと重要なのだ。

 今シーズン、楽天を優勝に導いたアンドリュー・ジョーンズとケーシー・マギーの活躍は記憶に新しい。いまや外国人選手の活躍なくして優勝はありえない。はたして新外国人のゴメスは4番として機能するのか。9年ぶりの優勝はゴメスにかかっているといっても過言ではない。

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