2013年ドラフト。桐光学園・松井裕樹を指名する球団はどこだ!?

  • 谷上史朗●文 text by Tanigami Shiro
  • 大友良行●写真 photo by Ohtomo Yoshiyuki

「(1位指名の)12人の顔を並べるのが難しい」

 夏以降、複数のスカウトから同様の声を聞いた。期待していた大学生の伸び悩みもあり、「不作どころか凶作」と苦笑いを浮かべるスカウトもいた。その中で、今年1年で最も評価を上げたと言われているのが、吉田一将投手(24歳/JR東日本)だ。

最後の夏は準々決勝で横浜に敗れ、甲子園出場を果たせなかった松井裕樹最後の夏は準々決勝で横浜に敗れ、甲子園出場を果たせなかった松井裕樹

「今年はずっと状態がいい」「あの身長(191センチ)からボールが低めに集まるのが魅力」
「即戦力ではナンバーワン」と多くのスカウトが賞賛する吉田は、オリックス、中日を筆頭に、複数の球団が1位指名をするのではないかと伝えられている。

 吉田以外にも、今年は社会人に好投手が多く、スカウトから名前が挙がったのが、浦野博司投手(24歳/セガサミー)、東明大貴投手(24歳/富士重工)、石川歩投手(24歳/東京ガス)、柿田裕太投手(21歳/日本生命)たち。あるスカウトは、「知名度はないが即戦力が意外に多いかも」と語る。ただ一方で、「今の社会人は打力が弱い。誰が見ても1位の投手は、吉田と石川ぐらい」という声があるように、スカウトによって評価が分かれている。

 大学生の上位指名候補は、九州共立大の大瀬良大地投手(22歳)。阪神が1位で指名するとの声があり、関西のスポーツ紙では「大瀬良」の名が頻繁に登場している。ただ、大瀬良に関しても「球に力がある」「大学では間違いなくナンバーワン」と評価するスカウトもいるが、「手元で伸びる球質ではない」「パワー型のピッチャーで調子に波がある」など、社会人の投手と同様に意見が分かれているのが現状だ。

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