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カープ、広島に還れず。CSは本当にこれでいいのか? (3ページ目)

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya

 CSが導入されて7年、パ・リーグのプレイオフを含めると10年が経過した。プロ野球評論家の吉井理人氏は、「レギュラーシーズンの消化試合が減ったという意味では大成功」とCSを評価した。その一方で、「ルールに関しては、まだまだ改善の余地がある」と言う。

「CSをやる以上、どのチームも同じ条件でやるのが理想だと思います。ただ、僕の個人的な見解は、ポストシーズンというのは優勝したチームが争うものだと思っています。そういう意味では、3地区制にして、優勝チーム+ワイルドカードで戦うとか……。今のルールだと下位のチームが勝ってはいけないような雰囲気になっているのが、いちばんの問題だと思います」

 この他にも、レギュラーシーズン終了からCSに突入するまでの間隔も一考の余地がある。メジャーは9月にレギュラーシーズンが終了し、2日後にはポストシーズンが始まる。その連続性にファンは息つく間もなく10月の戦いに引き込まれていくのだ。その点、CSはシーズンが終わりしばらくしてからスタートする。日本のプロ野球はメジャーよりもレギュラーシーズンが18試合も少なく、9月で終わらせることは可能なはずだ。

 いずれにしても、ファンあってのプロ野球だということは忘れてはいけない。本当にファンが望んでいるものは何なのか。巨人と広島のファイナルステージを見て、もっと野球ファンのためになる、そんなCS制度を作り上げてほしいと切に思った。

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