【WBC】侍ジャパン2009
中島裕之「清原が後継者と認めた男」 (4ページ目)
05年、中島は守備中にイレギュラーバウンドを顔面に受け、戦線を離脱することがあった。
「あの時も『大丈夫だから行かせてください』って言うんですよ。骨折してるし、目にも影響が出るのでダメだと説得したんですが、なかなか言うことをきかなくて困りました」
中島が西武の背番号3を背負ってまもなく、その成長していく姿を見て、土井氏は清原氏に会わせることにした。背番号3の後継者である。中島にとってきっと大きな財産になるはずだ、と。
「(清原氏に)食事に連れてってもらって、中島はすごく感動してました。で、言うんですよ。『僕も清原さんみたいにならないとあきまへんね』って。普通、清原と会ったら若い奴らは萎縮(いしゅく)するもんですが、中島と来たら(笑)」
そして昨年、清原氏が引退するとき、土井氏は清原氏からこんなことを言われたという。
「中島、いい選手になりましたね」
――清原氏は大事な一戦に中島の名がないことが歯がゆかったのだろう。しかしそれは、中島が自分の後継者であることを広く伝えるメッセージでもあった。
『Sportiva増刊 WBC2009総集編』(2009年3月28日発売)より転載
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