【WBC】高代延博コーチに聞く。日本代表のキーマンは誰か?

  • 木村公一●構成 text by Kimura Koichi
  • 益田佑一●写真 photo by Masuda Yuichi

山本浩二監督とは大学の先輩後輩であり、広島時代は監督とコーチの間柄であった高代延博コーチ(写真右)山本浩二監督とは大学の先輩後輩であり、広島時代は監督とコーチの間柄であった高代延博コーチ(写真右)―― 今大会はイチロー選手をはじめ、メジャー組が揃って不参加となりました。戦力的にどんな影響があるでしょう。

高代 正直、彼らがいないのは痛いです。でも、今回選ばれた選手の顔ぶれ見てください。前回と大きく違うのは、走れる選手が増えたことです。機動力という点では、前回のチームより上かもしれません。例えば、前回は塁に出れば全員「いつ走ってもいい」という方針でした。城島(健司)でもね(笑)。山本(浩二)監督の考えはまだ確認していませんが、おそらく今回も積極的に走る野球になると思います。そうでないと国際大会では得点が期待できません。

―― やはり初めて対戦する投手相手だと、受け身になってしまう?

高代 受け身というより、慎重に試合を運び過ぎてしまう。場合によってはチャンスを広げる意味で、あえてファーストストライクを見逃すとか、球数制限があるので1球でも多く投げさせるとか、そうした作戦をとることはあります。ただ、あくまでも基本は積極的に打ちにいくことに変わりはありません。それが自然にできれば問題ないと思います。

―― 高代さんは三塁ベースコーチも務められますが、相手のクセを見抜くのに定評があります。

高代 投手の球種などですね。そういう評価はいただいてきましたが、国際大会では別です。100%断言できない限り、わかっていても選手には伝えられない。ギャンブルは国際大会では許されません。ただ、わかる場合が多いのも事実です。昨年11月にキューバと2試合親善試合を行ないましたが、ある投手はグラブの中の握りや動きで、球種がハッキリわかりました。それは本大会にとっておこうと言うことで、その試合ではクセを見越した攻撃はあえてしませんでしたけれどね。

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