【WBC】与田剛に聞く。この日本代表投手陣で勝てるのか? (2ページ目)
―― 前回大会で言えば、準決勝のアメリカ戦から抑えを球児からダルビッシュにスイッチしました。
与田 あれこそ、その象徴的な出来事でしたね。誰も球児が通用しないとか実績をないがしろにしていたわけじゃない。ただシンプルに、あの大会のあの時期の彼のボールが、抑えとしてはきつかった。ダルビッシュの方が使えるという判断を首脳陣はした。それ以上でも以下でもない。アメリカ戦の翌日、練習の時に彼にはそう伝えました。納得は出来なかったでしょうが、理解はしてくれた。その後はダルビッシュに試合中盤以降の調整の仕方など、直接アドバイスしてくれていましたしね。引き受けたダルビッシュだって相当の負担だったと思います。先発しかしたことのない彼が、大会中、急に抑えに回り、ブルペンでペースを上げていくことがどれほど大変なことだったか。でも、それをやり切ってくれた。
―― 結果的に、その決断が世界一へと導いた?
与田 国際大会って、いろんな考え方があると思いますが、日本の場合、やはり『勝たなければならない』という意識が強い。やっている立場からすると、満足感を得られる場所ではなく、結果を出さなければならない場所。みんなが求めるものを持って帰らなきゃならない。そう考えると、まとまるというのは誰かが意図的に行なうことじゃなく、試合自体が進むにつれてまとまっていくものなんです。
―― 今回の投手陣を、あえて点数つけるとしたら何点でしょう。
与田 75点くらいかな。マイナスの25点は、経験不足という点と、杉内(俊哉)や浅尾(拓也)のように故障明けの投手がいるということです。あと昨シーズン、好成績を残した投手というは、疲労が残っていると考えるべきなんです。マエケン(前田健太)やマー君(田中将大)などがそうです。そうした要素を考えると75点くらい。かといって、大会直前までに100点にする必要はない。大会中でも100点にならなくても別にいいと思っています。それよりも今の75点をいかに維持できるか。日本投手陣の実力なら、75点を維持できれば、自ずと結果はついてくると思います。
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