2013.02.08

【プロ野球】高卒ルーキー投手が1年目から活躍する条件は?

  • 谷上史朗●文 text by Tanigami Shiro

中日からドラフト2位で指名を受けた大型左腕の濱田達郎 先日、藤浪晋太郎(阪神)について聞かれた楽天の星野仙一監督は次のように語った。

「阪神も新人に頼っているようじゃなあ......。ウチじゃ藤浪はローテーションには入れんよ(笑)」

 古巣に対する愛ある叱咤(しった)とリップサービスを多分に含んだ星野監督らしい言葉だが、新人はあくまで新人。それも高卒となれば、その力がまったく未知であるという意味でも、素直な思いを口にしたといえる。

 今年の高卒ルーキーといえば、藤浪と大谷翔平(日本ハム)に注目が集まる。ただ、昨年を思い返すと、高卒ルーキーで8勝を挙げた武田翔太(ソフトバンク)も、同じく7勝を挙げた釜田佳直(楽天)もキャンプの時期から大きな注目を集めていたわけではないし、開幕から一軍にいたわけでもなかった。

 武田は7月7日の日本ハム戦で初先発初勝利を挙げると、その後も順調に白星を重ね、8勝1敗、防御率1.07の好成績を挙げた。一方の釜田も5月20日の交流戦で初登板を果たし、7日後のヤクルト戦で初勝利。その後、一度は二軍落ちするも、20試合に登板して7勝4敗、防御率3.28の成績を収めた。そう考えると、今は藤浪や大谷の陰に隠れているが、今年入団した高卒投手の中から、第2の武田や釜田のような存在が現れてくる可能性は十分にある。

 当然、高卒ルーキーの多くは、プロのレベルの高さに戸惑い、すぐに通用するわけではない。1965年のドラフト制度導入以降に入団した高卒1年目の投手の成績を見ると、2ケタ勝利を挙げた投手は、堀内恒夫、鈴木啓示、森安敏明、江夏豊、松坂大輔、田中将大の6人しかいない。

 過去を簡単に振り返るだけでも、いかに高卒投手の1年目からの活躍が難しいかがわかる。その中であらためて、1年目から活躍できる要素は何なのか。例えば、今年入団した高卒ルーキー・濱田達郎(中日)の球をキャンプで受けた小田幸平はこう話す。