2013.02.05

【プロ野球】目指すはエースで4番。
大谷翔平がいま最優先すべきことは何か?

  • 石田雄太●文 text by Ishida Yuta

2月2日のバッティング練習で7本のサク越えを放った大谷翔平 那覇から車を走らせ、たっぷり2時間。

 東シナ海に面した、沖縄県の国頭村(くにがみそん)で、2013年2月1日、ファイターズの二軍キャンプが始まった。

 オフに左ヒザの手術を受けたベテランの金子誠がいた。右ヒジの術後となる小谷野栄一もいる。去年の開幕投手、斎藤佑樹も右肩の状態が思わしくなく、二軍スタートとなっていた。

 そんな中、報道陣が一斉にカメラを向けていたのは、ダルビッシュ有の11番を受け継いだ、背の高い超大物ルーキーだった。

 大谷翔平である。

 花巻東でピッチャーとして160キロを投げ、バッターとして高校通算56本のホームランを放った大谷は、いったんメジャー志望を明らかにしながら、ファイターズからドラフト1位で指名され、翻意した。それは、ファイターズが提案した仰天のアイディアが大谷の心を大きく揺さぶったからだ。

 それが"二刀流"だ。

 宮本武蔵を創始者とする二天一流の一派から始まったとされる二刀流は、両腕に二本の長い太刀を持って戦うわけではなく、利き手に本差、逆の手には短い脇差を持って戦う。どれほどの強さを誇る二刀流の使い手であったとしても、右も左も同じように使えたわけではないのだとか。片腕だけで長い太刀を振り回しても威力はなく、両腕で一本の太刀を持って抗(あらが)う敵に二本の太刀は簡単に弾き飛ばされてしまうのだろう。