【プロ野球】期待の新戦力、世代交代。セ・リーグキャンプはここに注目! (3ページ目)

  • 石塚隆●文 text by Ishizuka Takashi
  • 益田佑一●写真 photo by Masuda Yuichi

 毎年、多くのファンが集まる阪神のキャンプ地・宜野座だが、今年は例年以上の賑わいを見せそうだ。その理由が、ドラフト1位ルーキー・藤浪晋太郎の存在だ。大阪桐蔭高校のエースとして春夏連覇を達成。ドラフトでも4球団が1位で指名するなど、注目の高さは群を抜いていた。新人でただひとり一軍スタートが決まった藤浪だが、「手本になる人がたくさんおられる。ただ、自分を見失わないことがいちばんだと思う」とコメントをするなど、早くも大物感を漂わしている。

そして阪神のもうひとつの目玉が、日本球界復帰を果たした福留孝介と西岡剛だ。ともに日本球界で首位打者を獲得した経験のある実力者だが、「彼らを獲得することで若手の出番が減ってしまう」というファンがいたように、必ずしも手放しで歓迎されたわけではない。それだけにファンの見る目も厳しく、1年目から結果が求められる。また、これまでチームの精神的支柱であった金本知憲、藤川球児、城島健司が抜けただけに、福留、西岡には結果だけでなく、チームをどうまとめていくか、宜野座キャンプでのふたりの行動、言動にも注目してみたい。

 昨年のキャンプは中畑清新監督の話題で持ちきりだった横浜DeNAだが、今年の主役は選手。その筆頭が、中日から移籍を果たしたブランコ、ソーサ、ソトの外国人三人衆。ブランコはケガさえなければ30本塁打は期待できるし、ソーサはセットアッパーとして、ソトは先発として計算できる。さらにブルワーズから外野手のモーガン、ソフトバンクから7年ぶりの古巣復帰となった多村仁志など、戦力の厚みは格段に増した。

 それに加え、若手も着実に成長している。ゴールデングラブ賞を獲得した荒波翔や、将来の4番候補・筒香嘉智。投手ではローテーション入りを果たした国吉佑樹に、捕手ではチームの高卒ルーキーとして谷繁以来、23年ぶりにスタメンマスクを被った高城俊人など、昨シーズンは中畑監督の抜擢によって若手は多くの経験を積んだ。その成果を今シーズン、どこまで見せることができるのか。いずれにしても、例年以上に今年の宜野湾キャンプは活気に満ちたものになるだろう。

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