【プロ野球】立浪和義×野村弘樹が語る「技術よりも大切なこと」 (3ページ目)
のむら・ひろき/1969年、広島県生まれ。87年にPL学園のエースとして春夏連覇を達成。同年秋、ドラフト3位で横浜大洋ホエールズ(現・横浜DeNAベイスターズ)に指名を受け入団。93年には17勝を挙げて、最多勝を獲得。プロ通算成績は101勝88敗野村 今の少年野球チームを見ていると、『野球を嫌いにならないでほしい』という風潮がすごくあるんですよ。僕らの時代は、野球の好きなヤツらが集まっていたけど、今の子どもたちは野球を好きでやっているというより、親から運動しなさいと勧められてやっている子も多い。部員数も減少傾向にあるし、指導者の方からすれば辞められたら困る。だから丁寧に優しく教えるといった指導が多いと聞きました。だけど、タツが言ったように、あいさつや礼儀を徹底させるような最低限の厳しさがないといけないよな。
―― つまり、『野球=楽しいもの』というイメージばかりを持たせようとしていると。
野村 好きになってもらうことは大事なことですけど、でもオレたち、楽しんで野球なんてやったことないよな。
立浪 うん。楽しんではやれなかったな
野村 高校生はもちろん、プロの選手でさえ『楽しんで野球やっています』って平気で言いますからね。ある意味、そんな風に思えることがうらやましい。
立浪 ただ、失敗や苦しさの先にある勝利は、他のどんなことよりも嬉しい。だからこそ、厳しい練習にも耐えられたんだと思う。本当の喜びを味わいたいのなら、絶対に『楽しい』っていう言葉は出ないと思うんだけどな。これも時代なんだろうね。
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