【プロ野球】「パ・リーグに行ってよかった」。
初めての交流戦で斎藤佑樹が語った本音

  • 石田雄太●文 text by Ishida Yuta
  • photo by Nikkan sports

広島の梵に一発を浴び、今季3敗目を喫した斎藤佑樹広島の梵に一発を浴び、今季3敗目を喫した斎藤佑樹 "佑と祐"の対決に、広島が沸いた。

 ファイターズの開幕投手、ここまで4勝を挙げている斎藤佑樹。

 カープのルーキー、この時点でリーグトップの防御率を誇る野村祐輔。

 思えば、佑と祐がエンジと紫紺のユニフォームに身を包んで投げ合ったのは、ほんの1年8カ月前のことだ。

 取材手帳を手繰ってみた。

 2010年9月25日、神宮球場で行なわれた早大対明大。

 早稲田の先発は4年生、背番号10の斎藤佑樹。
 明治の先発は3年生、背番号11、野村祐輔。

 ともに高校時代、夏の甲子園で決勝戦の舞台を踏み、早実の斎藤は優勝投手に、広陵の野村は準優勝投手となった。 学年はひとつ違うものの、それぞれ大学1年の春から神宮を沸かせてきた右腕同士とあって、ふたりの対決は早くからエース同士の投げ合いとして注目を集めていた。

 優勝の行方を占う早明の一戦、先制点を与えてしまったのは野村だったが、斎藤も追いつかれ、中盤まで1-1の展開が続く。そして6回、野村がツーアウト1、3塁のピンチで走者一掃のスリーベースヒットを打たれ、2失点。3-1と早稲田がリードした7回表、まず斎藤に、その裏には野村に代打が送られ、ふたりはマウンドを下りた。

 東京六大学リーグはDH制を採用していない。早大には大石達也(現・西武)という絶対的な抑えがいたし、明大もリードされているとあれば代打を送らざるを得ないのはわかる。しかし、このふたりの投げ合いを最後まで堪能できないのは、あまりにももったいない――それが、この日の印象だった。

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