【MLB】大谷翔平擁するドジャースはワールドシリーズにたどり着けるか? 武田一浩が解説するポストシーズン展望 (3ページ目)
── レギュラーシーズンでもドジャースは2勝4敗と負け越しています。
武田 シーズン終盤の直接対決3連戦(1勝2敗)で、ドジャースナインも手強さを肌で感じ、「フィリーズに勝てれば......」「フィリーズ戦がひとつのヤマだ」と思っているんじゃないですかね。頂点まで、今年はけっこう"茨(イバラ)の道"ですよ。
── フィリーズを下したら、リーグチャンピオンシップ(7戦制)に進みます。
武田 反対側のブロックでは、まずワイルドカードで地区優勝を除く勝率1位(.568)のシカゴ・カブスと同勝率2位(.556)のサンディエゴ・パドレスが戦います。
── カブスには鈴木誠也選手、今永昇太投手、パドレスにはダルビッシュ有投手、松井裕樹投手がいますね。
武田 鈴木は、松井秀喜や大谷に次ぐ「30本塁打・100打点」を達成し、今季は大いに奮闘しました。一方、今永(9勝8敗)は直近3試合でクオリティ・スタート(6回3失点以内)を記録できておらず、どこまで復調できるかがカギになります。パドレスは早々にポストシーズン進出を決めており、短期決戦ではやはり怖い存在ですね
── その勝者がミルウォーキー・ブルワーズと「ディビジョンシリーズ」を戦うわけですね。
武田 ブルワーズは地区優勝した3チームのなかで最も高い勝率を誇り、レギュラーシーズンではドジャース相手に6戦全勝しています。ただし、ブルワーズはポストシーズンでは意外と結果を残せていません。もしパドレスが勝ち上がってくると、ラテン系の選手が多く、チーム全体のノリもよく勢いがあります。そのため、ブルワーズを食ってしまう可能性も十分にあり、ポストシーズンは本当に何が起こるかわかりません。
【ワールドシリーズ進出のキーマンは?】
── となると、ドジャースが2年連続ワールドシリーズを制するには、繰り返しになりますが、まずはディビジョンシリーズのフィリーズ戦がカギということですね。
武田 特にカギを握るのはブルペン(リリーフ陣)ですね。故障者リストから最終盤に復帰し、好調の片鱗を見せた佐々木朗希を"ここ一番の場面"で起用してくる可能性はあると思います。シーズン中に先発で使われていた投手のなかで、勝ちゲームを任せられるリリーバーといえば、エメ・シーハン(6勝3敗)や、先に触れたカーショーくらいでしょう。
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