【大谷翔平】ドジャース打撃コーチが語る「2ストライク後のアプローチ」に見る一番打者としての技術&心理的変化
一番打者として打撃アプローチを変化させている大谷翔平 photo by Getty Images
後編:大谷翔平「二刀流」復活と「一番打者」としての変化
8月27日(日本時間28日)のシンシナティ・レッズ戦で749日ぶりの勝利投手となり、「二刀流」復活への大きな一歩を踏み出したロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平だが、ここ数カ月、「一番打者」としてのアプローチへの変化も垣間見える。
前編〉〉〉749日ぶりの勝利投手の意味と「一番打者」としての役割
【大事なのは"やりすぎないこと"】
現在の大谷翔平は打撃面のアジャストを実行している。ドジャースのアーロン・ベイツ打撃コーチに「監督は"翔平は打撃コーチとともにメカニカルな部分で調整をしている"と話していました。実際、このところボール球を追いかけることが減り、2ストライク時のアプローチも変わっているように見えます。そのとおりですか」と質問すると、こう答えた。
「間違いなくそうですね。2ストライクになると、彼はスイングを短く(コンパクトに)していますし、考え方(マインドセット)も変えています。大きなスイングで長打を狙うというよりも、ラインドライブを打ち返す意識に切り替えているのです。スイングの形も少し変えていて、バットの軌道があまりフラットになりすぎないように、少しアップライト(立ち気味)にしています。そうすることで、より確実にバレルでボールをとらえられるようになっています」
アップライトにするというのは、バットを横に払うような"寝かせたスイング"ではなく、ほんの少し角度をつけて縦ぎみに振るということだ。そうすることで、ボールに対してバットの芯を正確にぶつけやすくなり、ライナーや強い打球が生まれやすくなる。
それでも「長打力が損なわれることはない」とベイツコーチは強調する。
「翔平はものすごいパワーを持っています。だから無理に力を入れて大きなスイングをしなくても、ラインドライブを打てばそのままホームランになる力がある。だからこそ大事なのは"やりすぎないこと"。つまり自分の範囲に収めて、自分の打撃を保つことなんです」
1 / 3
著者プロフィール
奥田秀樹 (おくだ・ひでき)
1963年、三重県生まれ。関西学院大卒業後、雑誌編集者を経て、フォトジャーナリストとして1990年渡米。NFL、NBA、MLBなどアメリカのスポーツ現場の取材を続け、MLBの取材歴は26年目。幅広い現地野球関係者との人脈を活かした取材網を誇り活動を続けている。全米野球記者協会のメンバーとして20年目、同ロサンゼルス支部での長年の働きを評価され、歴史あるボブ・ハンター賞を受賞している。

