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【MLB】山本由伸「サイ・ヤング賞&沢村賞」史上初ダブル受賞の夢 5人の候補者のなかで最も可能性が高い (3ページ目)

  • 宇根夏樹●取材・文 text by Une Natsuki

【サイ・ヤング賞投票で日本人最高は2位】

 沢村賞に選ばれたことがあり、現在メジャーリーグの球団に在籍している投手は4人いる。山本以外の3人の受賞年は、ダルビッシュ有(サンディエゴ・パドレス)が2007年、前田健太(デトロイト・タイガース)が2010年と2015年、菅野智之(ボルチモア・オリオールズ)は2017年と2018年だ。

 一方、横浜DeNAベイスターズに復帰したトレバー・バウアーは、彼らとは逆のパターンになる。バウアーは短縮シーズンの2020年にサイ・ヤング賞を受賞した。

 ちなみに、2020年の投票でバウアー(当時シンシナティ・レッズ)に次ぐナ・リーグ2位だったのは、当時シカゴ・カブスのダルビッシュだ。2013年の当時テキサス・レンジャーズ時代も2位で、惜しくも受賞を逃した。また、2020年は当時ミネソタ・ツインズの前田もア・リーグ2位だった(1位は投手三冠に輝いた当時クリーブランド・インディアンスのシェーン・ビーバー)。

 そのバウアーも含めて候補者5人のなかで、沢村賞とサイ・ヤング賞のダブル受賞を成し遂げる可能性が最も高いのは、山本ではないだろうか。山本が沢村賞を受賞したのは、わずか2年前のことだ。

 しかも、山本は飛び抜けて若い。2025年のシーズン年齢(6月30日時点)は26歳だ。あとの4人は、バウアーが34歳、菅野が35歳、前田が37歳、ダルビッシュは38歳。2番目に若いバウアーでも、山本との年齢差は8歳である。

 山本の全盛期は、まだまだ続くはず。むしろこれからと言ってもいい。今シーズンでなくてもサイ・ヤング賞のチャンスは何度もある。複数受賞や連続受賞の夢も膨らむ。ちなみに山本の沢村賞3度は史上最多タイ。サイ・ヤング賞はロジャー・クレメンスの7度が最も多い。

 もちろんサイ・ヤング賞は、そう簡単には受賞できない。シーズンを通した活躍だけでなく、ほかの投手をしのぐことが必要だ。ドジャースの先発投手に限っても、ほかの候補を挙げるならば、ブレイク・スネル、タイラー・グラスナウ、資質からすると佐々木朗希もだ。スネルは2018年と2023年にサイ・ヤング賞を手にしており、来シーズン以降は大谷翔平も候補に加わる可能性がある。

 彼らがしのぎを削ることで、ドジャースはさらに強くなっていくかもしれない。そしてそのローテーションをエースとして牽引するのは、山本ということも十分にあり得る。

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