【MLB】大谷翔平が日本凱旋で放った輝きにチームメイトは「ビーストのような存在」「歴史上最高の選手」
ナ・リーグ設立5年前の1871年に結成されたシカゴ・カブス(当時はホワイトストッキングス)と、1883年に創設されたロサンゼルス・ドジャース(当時はニューヨークのブルックリンが本拠地)。
MLBでも屈指の歴史と人気を誇る両球団が来日して3月18、19日に行なわれた今季開幕戦の「東京シリーズ」は、空前の盛り上がりを見せた。東京ドームではドジャーブルーに身を包んだファンが多くを占め、東京の街中では「LA」のロゴが刻まれたキャップをかぶる少年も多く見られ、試合は選手層の差を見せつけたドジャースの2連勝に終わった。
東京シリーズで存在感を見せつけたドジャース・大谷翔平 photo by Getty Imagesこの記事に関連する写真を見る
【求められた場面で打てる男】
取材者として東京シリーズで楽しみにしていたひとつが、NPBにはない試合前会見だ。両チームの選手や監督が日米の記者の質問に対し、ユーモアをまじえて豊かな表現力で答えていく。
19日の第2戦前、アメリカ人記者が両監督に同じ質問を投げかけた。両球団ともに由緒ある球団だが、現在、なぜドジャースだけが突出した球団になっているのだろうか、と。
ドジャースのデーブ・ロバーツ監督が答えたのは、東京シリーズの"顔"となった男の存在だった。
「全体的に見れば、歴史を紡いできた球団はほかにもいくつかあると思う。野球では、どうやって強くなっていくかは波のあることだ。ドジャースとしては、今の最高潮を維持していければいい。しかし、ほかの日本人選手たちに失礼なことを言うつもりはないが、ショウヘイの存在がすごく大きい。ショウヘイはこの(質問を解く)方程式において、まさにビースト(獣)のような存在だ」
15、16日の巨人、阪神とのプレシーズンマッチを含め、プラチナチケットを手にした4万2000人超の大観衆が連日詰めかけたなか、ドジャースのユニフォーム姿のファンを多く目にした。感覚的にはそのほとんどが背番号17で、ほかの選手のユニフォームを目にするのは珍しいくらいだった。
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著者プロフィール
中島大輔 (なかじま・だいすけ)
2005年から英国で4年間、当時セルティックの中村俊輔を密着取材。帰国後は主に野球を取材。新著に『山本由伸 常識を変える投球術』。『中南米野球はなぜ強いのか』で第28回ミズノスポーツライター賞の優秀賞。内海哲也『プライド 史上4人目、連続最多勝左腕のマウンド人生』では構成を担当。