【MLB】大谷翔平の球種別・カウント別の打撃から見る進化の軌跡 スライダーを狙って本塁打を量産 (2ページ目)
── 一番多い球種ということもあって、大谷選手は狙いにきている?
伊勢 それは大いに考えられます。打者ってある程度球種が読めると、バットに当てるだけなら相当の確率でできます。当然、フルスイングしてくるわけですから、当たれば飛びますよね。
近年、日本人投手がメジャーで活躍していますが、その大きな要因として挙げられるのは配球で勝負できるからだと思っています。昨年のポストシーズンでダルビッシュ有(パドレス)が大谷を翻弄しましたが、あの時もしっかり配球を組み立てて投げていました。山本由伸(ドジャース)も、シーズン終盤はしっかり配球を考えて投げられるようになっていました。最低限の球速は必要ですが、日本人投手が勝てる大きな理由は、変化球の制球力に長けているからだと思っています。
【フルカウントから圧巻の7本塁打】
── 投手としては的を絞らせないことが大事?
伊勢 使える球種が多ければ多いほど、バッターは的が絞りづらくなります。特にカウントを稼ぐ時に、ストレートやスライダー以外のボールが来れば、打者は戸惑うかもしれないですね。
── カウント別の傾向はどうでしょうか?
伊勢 これもハッキリとした傾向がありました。とにかく、大谷は早打ち。初球だけで7本もホームランを打っています。"好球必打"といえばそれまでですが、打てるボールと判断したら迷いなくスイングする。そのアグレッシブさが、この数字に表れています。
── 大谷選手とすれば、追い込まれるまでに勝負したい。
伊勢 大谷に限らず、どの打者も追い込まれるまでに勝負したいと思います。ただ大谷は、カウント3−2のフルカウントからも7本塁打放っています。これも特徴的だと思いました。あとビックリしたのが、カウント3−0から6本あったことです。どちらもストライクを取りにいったところを、仕留められたと見ていいでしょう。前編でも触れましたが、大谷の甘い球を仕留める確率は劇的に上がっています。
── 日本ではカウント3−0から打ちにいく打者は多くありません。
伊勢 3−0になっても、ベンチから「待て」のサインは出ないのでしょう。この6本という数字に、日米の野球の違いが顕著に表れています。
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