【MLB】大谷翔平の球種別・カウント別の打撃から見る進化の軌跡 スライダーを狙って本塁打を量産 (3ページ目)
── 球種やカウントから、大谷のホームランのポイントがあるとすれば、どんなところでしょうか。
伊勢 球種的には、前述したようにスライダーは"飛ぶ球種"であり、バッテリーとしても"便利な球種"ということから、今シーズンも注目の球種と言えそうです。また早いカウントから打ちにいくのは、追い込まれるまでに勝負したいことと、もうひとつは大谷が"自分のゾーン"を確立していて、そこに来た球はカウント関係なく打ちにいっている。
あと感じるのは、大谷がメジャーのスタイルに適応しているということです。7年もプレーしているのだから当然と言えば当然ですが、それも簡単なことではありません。あらためて彼のすごさを実感しました。
伊勢孝夫(いせ・たかお)/1944年12月18日、兵庫県出身。63年に近鉄に投手として入団し、66年に野手に転向した。現役時代は勝負強い打撃で「伊勢大明神」と呼ばれ、近鉄、ヤクルトで活躍。現役引退後はヤクルトで野村克也監督の下、打撃コーチを務め、92、93、95年と3度の優勝に貢献。その後、近鉄や巨人でもリーグを制覇し優勝請負人の異名をとるなど、半世紀にわたりプロ野球に人生を捧げた伝説の名コーチ。現在はプロ野球解説者として活躍する傍ら、大阪観光大学の特別アドバイザーを務めるなど、指導者としても活躍している
著者プロフィール
木村公一 (きむらこういち)
獨協大学卒業後、フリーのスポーツライターに。以後、新聞、雑誌に野球企画を中心に寄稿する一方、漫画原作などもてがける。韓国、台湾などのプロ野球もフォローし、WBCなどの国際大会ではスポーツ専門チャンネルでコメンテーターも務める。
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