菅野智之メジャー成功へのカギは「コマンド」 いきなりエースとなる可能性も (2ページ目)
【35歳で1300万ドルの契約は安くない】
果たして、菅野のメジャー1年目はどうなるか。
おそらく開幕ローテーションには、ザック・エフリン(30歳/右投)、グレイソン・ロドリゲス(25歳/右投)、チャーリー・モートン(41歳/右投)、ディーン・クレーマー(29歳/右投)の4人とともに並ぶだろう。
菅野は3月27日〜30日のトロント・ブルージェイズ戦か、31日のボストン・レッドソックス戦でデビューするはずだ。最初のカードはカナダのロジャース・センター、次はホームのカムデンヤーズが舞台となる。
もちろん、ほかにも先発候補はいる。ただ、元ヤクルトのアルバート・スアレス(35歳/右投)はロングリリーバーとしてブルペンから登板すると思われ、トレバー・ロジャース(27歳/左投)は右ひざを痛めていて開幕には間に合わない。2023年に先発30登板で防御率2.83を記録したカイル・ブラディッシュ(28歳/右投)は昨年6月にトミー・ジョン手術を受けた。
前年にメジャーデビューしたふたりのうち、ケイド・ポビッチ(24歳/左投)は先発16登板で防御率5.20に終わり、先発1登板のチェイス・マクダーモット(26歳/右投)は現在背中を痛めている。キャンプに参加しているブランドン・ヤング(26歳/右投)はまだメジャーデビュー前で、3人ともプロスペクト・ランキングのトップ100にランクインしたことはない。
そもそも菅野と交わした1年1300万ドルの契約は、オリオールズがローテーションの一角として活躍することを期待しているからにほかならない。日本プロ野球で輝かしい実績を残しているとはいえ、メジャーリーグで投げたことがない35歳の投手に対し、この金額は決して安くない。
しかしながら、野球データサイト『ファングラフス』に掲載されている「ストリーマー」や「ZiPS」などの予測防御率を見ると、菅野の数値はローテーション候補5人のなかで、ずば抜けて高い。
エフリンとロドリゲスはすべて3点台、モートンとクレーマーは4点台前半が多いのに対し、菅野の数値は4点台後半が並び、なかには5点台後半もある(2月25日時点)。イニングも同様だ。菅野の予測値は、いずれも130イニングに届いていない。
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