「大谷翔平2世」が今季MLBドラフトで台風の目 規格外アーチと100マイル豪速球「二刀流を辞めるつもりはない」 (2ページ目)

  • 宇根夏樹●取材・文 text by Une Natsuki

【高校時代は打者より投手のほうが高く評価】

 今シーズンの33本塁打はトップではなく、ジョージア大のチャーリー・コンドンより4本少ない。シーズン記録も更新された。それでも、NCAAディビジョン1で2シーズン続けて31本塁打以上はカグリオーンしかいない。

 昨シーズンと今シーズンを比べると、四球が17→52、敬遠四球は3→28と激増。ホームラン1本当たりの打数は8.55→7.15と推移している。

 また今年4月には、9試合続けてホームランを打った。このストリークは、2021年にネバダ大リノ校のタイラー・ボセッティが樹立した最長記録に並んだ。メジャーリーグでは、デール・ロング(1956年/ピッツバーグ・パイレーツ)、ドン・マッティングリー(1987年/ニューヨーク・ヤンキース)、ケン・グリフィーJr.(1993年/シアトル・マリナーズ)の8試合連続が最も長い。

 ホームランも、単にフェンスを超えるだけではない。9試合連続ホームランの7本目は、金属バットとはいえ、推定飛距離516フィート(約157.3メートル)を記録した。スタットキャストによる計測が始まった2015年以降のメジャーリーグ最長は、2019年にノマー・マザラ(テキサス・レンジャーズ)が打った505フィート(約153.9メートル)のホームランだ。

 今月初旬には、打球初速119マイル(約191.5キロ)のホームランも打っている。2015年以降、メジャーリーグで初速119マイル以上のホームランは、11本しか出ていない。大谷のホームランは、最長が493フィート(約150.3メートル)、最速は118.7マイル(約191.0キロ)だ。

 一方、投手としては、昨シーズンが先発18登板の74.2イニングで奪三振率10.49と与四球率6.63、防御率4.34。今シーズンは先発15登板の72.2イニングで奪三振率10.16と与四球率5.94、防御率4.71を記録した。制球には課題を残すものの、速球の最速は100マイルに達する。そこに、カッター、スライダー、チェンジアップを交える。

 カグリオーンは、高校→大学の間、2021年6月にトミー・ジョン手術を受けた。それまでは、打者よりも投手のほうが高く評価されていた。「原石のハードボーラー」といったところだ。

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