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高木豊が現地視察で感じた日米のキャンプの違い スプリットを習得した前田健太も「メジャーのやり方がすごく合っている」 (2ページ目)

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo

――バッティング練習はいかがでしたか?

高木 日本の場合は、フリーバッティングなどで徐々に調子を上げていき、そこから試合に入っていきます。しかしメジャーの場合は、投手がライブBP(実戦形式の打撃練習)でバンバン投げて、野手はフリーバッティングをせずにそれを打ちにいく。それで、その後のオープン戦で状態を上げていく流れです。個人的にこの点に関しては、準備期間をしっかり設けている分、日本のほうがいいのかなと。

 メジャーでは「助走期間はいらない」というか、「結局は試合で打たなきゃいけないでしょ」という感じ。もちろんフリーバッティングもしますが、「そこでいくら打ったってお金にならない」という認識なのかもしれません。

【マエケンもメジャー流でスプリット習得】

――オープン戦に対する考え方の違いも関係がありそうですね。

高木 メジャーではライブBPで"生きたボール"を打つので、それを強く、速く飛ばさなきゃいけないとなると、眠っていた体のキレや感覚が起きてきます。最初は低空飛行でいいから、オープン戦で試合に慣れていけばいいという考えのメジャーと、オープン戦の時点で結果を求められる日本。その違いが関係しているでしょうね。

――大谷翔平選手(ロサンゼルス・ドジャース)も、開幕までに50打席を消化できれば準備を整えられる、という考えのようですね。

高木 結果がどうこうではなく50打席に立つことが目安で、目標はあくまで開幕。大谷の場合はレギュラーが確定していることもありますが、オープン戦は調整期間と割り切って考えていますよね。

 ピッチャーも考え方は同じです。オープン戦の序盤に"お試し期間"があるんです。たとえばスプリットが苦手なピッチャーが、どうしてもスプリットの精度を高めないと三振が取れないとなれば、オープン戦の序盤で徹底的にスプリットを投げてみたりする。あくまで自分本位で、「自主的に練習してきたことを試すために相手がいる」という考え方です。結果が重視される日本のオープン戦とは、少しスタンスが違いますよね。

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