前田健太と菊池雄星はローテ入り確定、上沢直之はリリーフから先発転向も...ア・リーグ日本人投手3人の期待度 (2ページ目)

  • 宇根夏樹●取材・文 text by Une Natsuki

【前田健太は10年ぶりポストシーズン進出の切り札】

 ローテーション全体としても、ポテンシャルは低くない。1番手と目されるスクーバルは、昨年の夏にトミー・ジョン手術ではないひじの手術から復帰し、80.1イニングで防御率2.80。この防御率は、先発80イニング以上の140人のなかで5番目に低かった。

 また、1巡目指名は7人中5人を数える(前田の2006年NPB高校生ドラフト1巡目も含める)。フラハティは2014年の全体34位、マニングは2016年の全体9位、ファエドは2017年の全体18位、マイズは2018年の全体1位だ。

 タイガースは2011年〜2014年の地区4連覇を最後にポストシーズンから遠ざかり、2017年以降は7年続けて負け越している。ただ、一塁手のスペンサー・トーケルソンと外野手/DHのケリー・カーペンターはメジャーリーグ2年目の昨年に揃って台頭。今年は、プロスペクトのコルト・キースが開幕から二塁を守る予定だ。夜明けは近づいており、今秋のポストシーズン進出も夢ではない。

 移籍1年目の前田と違い、トロント・ブルージェイズの菊池雄星(32歳)は3年3600万ドル(当時約42億円)の契約最終年を迎える。

 昨年は自己最多の167.2イニングを投げ、自己ベストの防御率3.86を記録した。今年の開幕ローテーション入りも、まず間違いない。立場としては4番手だろうが、これは相対的なものだ。

 菊池だけでなく、ケビン・ゴーズマン、ホセ・ベリオス、クリス・バシットの3人も、前年と同じくブルージェイズのローテーションに揃う。昨年、彼らが記録した防御率はいずれも菊池より低く、イニングも菊池より多かった。

 ちなみに3人とも、菊池を上回る契約を手にしている。ゴーズマンは今年が5年1億1000万ドルの3年目、ベリオスは7年1億3100万ドルの3年目、バシットは3年6300万ドルの2年目だ。

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