大谷翔平のMVPはほぼ確実、「三冠王」に輝く可能性は? 打率は「伏兵」、本塁打と打点は「トラウトの復帰」次第 (2ページ目)
【本塁打王も予断を許さない】
もっとも、首位打者に関しては「伏兵」がいる。規定打席未満ながらコリー・シーガー(レンジャーズ)が打率.353を記録している。現時点の不足分は13打席にすぎず、今月が終わるまでには打率ランキングのトップに躍り出るはずだ。
一方、打点王の行方は本人以外の要素に大きく左右される。塁上にいる走者の人数も、そのひとつだ。
ガルシアが打席に入った時、塁上には計298人の走者がいた。大谷の走者は計261人。得点圏の人数は142人と115人だ。レンジャーズの打線でシーガーは2番、ガルシアは4番を打っている。
打撃三冠のなかで獲得がもっとも有力な本塁打王も、まだ予断は許さない。2年前はブラディミール・ゲレーロJr.(トロント・ブルージェイズ)と5本差のトップで折り返したものの、シーズンが終わった時にはゲレーロJr.のみならず、前半戦に12本リードしていたサルバドール・ペレス(カンザスシティ・ロイヤルズ)にも2本差をつけられていた。
チームメイトのマイク・トラウトは、今月初旬から離脱している。復帰が遅れれば、大谷はこれまで以上に勝負を避けられることになる。
その一方で、エンゼルスは先月後半から失速している。後半戦もそれが続くと、大谷がホームランを打つチャンスは増えるかもしれない。
対戦相手は、その打席で大谷にホームランに打たれても「試合に勝てそうだ」と判断すれば、歩かせるよりもアウトに仕留めようとするはずだ。さらに、大きくリードしている時は勝ちパターンのリリーフ投手を温存することも多い。
すでに、そんな気配も感じられる。大谷が打ったホームランの直近4本中3本は、打席に入った時点でエンゼルスが4点以上リードされていた。この3本のホームランは、いずれも試合の帰趨には影響を及ぼさなかった。
また、8月1日のトレード・デッドラインまでにナ・リーグの球団へ移籍すると、タイトル獲得はまず望めない。
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