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「千賀滉大は10勝できる!」と薮田安彦は絶賛 藤浪晋太郎には「投球フォーム、投球スタイルの変化が必要」と指摘 (3ページ目)

  • 水道博●文 text by Suido Hiroshi
  • photo by Getty Images

── 藤浪投手はメジャーでもコントロールが課題なのでしょうか。

薮田 投球フォーム自体は日本にいた時と変わっていません。藤浪投手の場合、いい時と悪い時の差が激しい印象があります。たしかに四球から崩れる時はありますが、コントロールを気にしすぎて腕が振れなくなるのもよくない。とにかく今はメジャーの環境に慣れることが最優先です。

 WBCでも大きく報道されましたが、MLBのボールは日本のものとは縫い目の高さや皮の質が違うので、当然変化も違います。私もメジャーに行った時は、体の使い方などいろいろ試しましたし、どうすれば日本にいた時と同じような球が投げられるのかをずっと考えていました。ダルビッシュ有投手(パドレス)でも大谷投手でも、メジャーにアジャストするためにフォームの修正がありました。今後、藤浪投手がどう変わっていくかでしょうね。

── 藤浪投手は先発から中継ぎに配置転換されましたが、今後はどんなことが必要になってくると思いますか。

薮田 メジャーの打者は藤浪投手を打つために研究してくるわけですから、同じように相手の打者に対しての準備が必要です。前出の1年目から10勝した7人の共通項は、この球で打ちとれるという"決め球"を持っていたということです。そういう意味では、藤浪投手はスライダーを打たれていますので、たとえばフォークを増やす投球スタイルも視野に入れるのがいいかもしれませんね。

── 千賀投手、藤浪投手の「メジャー1年目10勝」はいかがでしょうか。

薮田 前田健太投手が達成してから7年が経過しています。当時とは選手の顔ぶれは違いますし、"フライボール革命"などで打者のスイング軌道も変わってきています。どういう決め球、投球スタイルがいいのか、投げていくなかで見つけていくのがいいのではないかと思います。

 優勝を狙うメッツと再建を図るアスレチックスでは、チームの状況が違います。そのなかでも千賀投手は2ケタ勝利を期待されていると思いますし、現時点でフォークが通用していることもあって可能性は高いと思います。

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