藤浪晋太郎が語るメジャー1年目の今「カメラに追い回されることもなく、ストレスフリーで野球に向き合えている」

  • 石田雄太●文 text by Ishida Yuta
  • photo by Taguchi Yukihito

 昨シーズンまで10年間プレーした阪神を離れ、メジャーでプレーすることを選んだ藤浪晋太郎。オークランド・アスレチックスの一員となった今、藤浪は何を思い、何を目指しているのか。記念すべきメジャーデビュー戦が刻々と迫っているなか、藤浪を直撃した。

メジャーデビュー戦は4月1日(日本時間2日)のエンゼルス戦に決まった藤浪晋太郎メジャーデビュー戦は4月1日(日本時間2日)のエンゼルス戦に決まった藤浪晋太郎この記事に関連する写真を見る

【日本の焼肉が恋しい】

── メジャーのスプリングトレーニングが始まって1カ月、いよいよ開幕です。いろいろ、慣れてきましたか。

藤浪 そうですね。最初から違和感なくスッと入れたかなと思ってます。こっち(アリゾナ)には日本食のお店もありますし、そういうお店に行けば出汁の利いた和食が食べられますからね。そういう意味では、あまり恋しさはないかな。でも、食べたくなるとしたら焼肉ですね、日本式の焼肉。韓国式のコリアンバーベキューのお店はけっこうあるんですが、日本の焼肉屋がないんです。和食よりも日本で食べられる感じの焼肉とか中華とか、そういうもののほうが食べたくなります。

── 日本の野球人にとっては正月でもある2月1日はまだスプリングトレーニングが始まっていませんでしたが、その日はどんなことを感じていましたか。

藤浪 その日の夜、テレビのスポーツニュースとか(阪神)タイガースの公式インスタを見たら、『キャンプが始まりました』って......ああ、始まってるなと思いながら、そこに自分がいないのが不思議でしたね。日本のプロ野球で10年やりましたから、やっぱり違和感はありました。

── 黄色と緑のアスレチックスのユニフォームはいかがですか。

藤浪 変ではない、という感じですね(笑)。僕は高校(大阪桐蔭)の時もプロに入ってからもずっと地が白っぽいユニフォームでしたから、ハッキリとした色のついたユニフォームは新鮮だなと思うと同時に、違和感はあります。

── 11番は自分で選んだんですか。

藤浪 はい。空いていた11、17、21、23......そのなかから選びました。自分が子どもの時に見ていたエースナンバーって、11番にカッコいいなと思うピッチャーがたくさんいたんです。川上憲伸さん、ダルビッシュ有さん......一度つけてみたいと思う番号だったので11番にしました。もし(阪神でつけていた)19番が空いていたら、迷ったかもしれませんね。

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プロフィール

  • 石田雄太

    石田雄太 (いしだゆうた)

    1964年生まれ、愛知県出身。青山学院大卒業後、NHKに入局し、「サンデースポーツ」などのディレクターを努める。1992年にNHKを退職し独立。『Number』『web Sportiva』を中心とした執筆活動とともに、スポーツ番組の構成・演出も行なっている。『桑田真澄 ピッチャーズバイブル』(集英社)『イチローイズム』(集英社)『大谷翔平 野球翔年Ⅰ日本編 2013-2018』(文藝春秋)など著者多数。

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