藤浪晋太郎が語るメジャー1年目の今「カメラに追い回されることもなく、ストレスフリーで野球に向き合えている」 (4ページ目)

  • 石田雄太●文 text by Ishida Yuta
  • photo by Taguchi Yukihito

── 初対決の初回、「初球は真っすぐで」というわけではないんですか。

藤浪 別にそんなこだわりはないですね。大谷が初球、真っすぐを張っているなら、何もそこへ真っすぐを投げる必要もないですし(笑)。

── 今の藤浪さんを支える想いを表現するとしたら、どんな言葉が思い浮かびますか。

藤浪 やっぱり野球が好きだということですかね。自分は単純に野球が好きですし、野球が楽しいなって今でも思います。野球を始めて20年超えましたけど、野球が楽しいし、野球が好きだという想いが、僕の原動力になっています。

【英検は準2級を取得】

── ルーキーの時、藤浪さんに「プロで勝負する武器は何ですか」という質問をしたら、「信念を曲げないこと。軸がブレないよう、最後に大切にするのは経験であり信念です」と話していました。今、同じ質問をしたら、メジャーで勝負するための武器は何だと思いますか。

藤浪 ルーキーの時は自信があったんでしょうね。やってきたことが間違ってないという信念があるから、そういう発言になったんだと思います。でも、今も信念は大事だと思いますね。昔の答えを聞いて、あらためて信念は大事だと思いました。自分の感性で野球をするのは大事なことだと、こっち(メジャー)に来たからこそ思います。

 日本から見ていたメジャーリーグと、実際に投げて感じるメジャーリーグのイメージはまったく違うんです。だからこそ感じたことを大事に、「自分はこうしていく」という信念を曲げない。柔軟に対応していくことも大事ですが、幹の部分は曲げないようにしていけたらなと思いました。10年前に比べればいろんな経験をしてきましたから、信念という自分の幹に、自分が信じる「これをやっておけばいい」というものがどんどん加えられている。10年前と言葉は同じでも、中味は同じものではないはずです。

── もう28歳か、まだ28歳なのか、どちらですか。

藤浪 両方ですかね。10年は早かったなと思う気持ちもありますし、10年もやったけどまだ20代かと思う気持ちもあります。

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