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吉田正尚のメジャー1年目「合格ライン」は? レッドソックス伝統のレフトを守る外野手のノルマは「出塁率.350・15本塁打」 (3ページ目)

  • 宇根夏樹●取材・文 text by Une Natsuki
  • photo by AFLO

【ファンが満足するかは別の話】

 これまでの日本人選手の成績も、その可能性を後押しできる要因だ。短縮シーズンをのぞき、メジャー1年目に規定打席以上の8人中、過半数の5人は出塁率.350を超えている。

 2001年のイチロー(当時シアトル・マリナーズ)が.381、2003年の松井秀喜(当時ニューヨーク・ヤンキース)が.353、2007年の岩村明憲(当時タンパベイ・デビルレイズ)と2008年の福留孝介(当時シカゴ・カブス)が.359、2012年の青木宣親(当時ミルウォーキー・ブルワーズ/現・東京ヤクルトスワローズ)は.355だ。

 ちなみに、あとの3人(2004年の松井稼頭央=当時ニューヨーク・メッツ/2005年の井口資仁=当時シカゴ・ホワイトソックス/2006年の城島健司=当時マリナーズ)も出塁率.330以上なので、そう低くはない。

 ほかには、規定打席未満ながら、2018年の大谷翔平(ロサンゼルス・エンゼルス)は出塁率.361を記録。昨年の鈴木誠也(シカゴ・カブス)は出塁率.336だったが、これは故障の影響もあったように思える。

 また、1年目に15本塁打以上を打ったのは、22本の大谷を筆頭に4人。鈴木もランニング本塁打を含め、15本まであと1本に迫った。

 ただ、吉田が「出塁率.350・15本塁打」を記録しても、レッドソックスのファンが満足するかどうかは、また別の話だ。

 今オフ、ニューヨーク・ヤンキースからFAになったベニンテンディは、5年7500万ドル(約98億円)でホワイトソックスに入団した。対して、吉田の契約は5年9000万ドル(約118億円)だ。

 レッドソックスがオリックスに払うポスティング費を含めると、総額は1億ドル(約131億円)以上となる。今季のベニンテンディの成績が明らかに吉田より上であれば、「吉田ではなくベニンテンディと契約を交わしたほうがよかった」という声が出てもおかしくない。

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