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大谷翔平にジャッジら有力選手から「MVP最有力候補」の声。出番は激減も「オールスターの顔」だった (2ページ目)

  • 杉浦大介●文 text by Sugiura Daisuke
  • photo by USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

 いきなりハイライトを演出した大谷だったが、3回の第2打席で四球を選んだところで早々にお役御免となった。話題性は昨季より上でも、フィールド上で躍動する機会は激減。17日のホームランダービー、本戦での登板は回避し、一部のファンはがっかりしたのかもしれない。

 ただ、メディアセッション時、記者たちから投手として出場しないことについてさんざん質問を受けた大谷は、しっかりと自分の言葉で理由を語った。

「後半戦の1戦目に(エンゼルスの先発投手として)投げるので、そこに合わせるためです。中2日だと厳しいかな、不安があるかなと思うので。去年は少し1日が長かったかな」

 本格的なブレイク1年目だった昨年のオールスターは、すべてをやろうとした印象があり、ホームランダービーも参戦。本戦には「1番DH&投手」という"大谷ルール"で出場とまさにフル回転だった。お祭りに慣れていない気負いも感じられたが、おかげで「大谷のためのオールスター」になったことは、知名度アップという意味では大きかった。

 しかし、今年は無理をせずに舞台から退場。地元ドジャースのエースであるカーショウ、特大の同点弾を放ったカリフォルニア出身のジャンカルロ・スタントンといった"LAボーイズ"に主役を譲った。

 その背景には、昨季のオールスター前に33本塁打を放っておきながら、球宴での疲労もあってか、後半戦は13本塁打とペースが落ちたことも頭にあったに違いない。これもエンゼルスの主軸選手として、1年を通じてハイレベルに戦い抜くための配慮だろう。

 生き馬の目を抜くようなメジャーリーグでブレイクすることは難しいが、ブレイク後にそれを継続していくことはもっと難しい。そちらに目が向くようになったとすれば、チームの主力選手としての価値と地位を確立した証であり、精神的な成長とも取れるのかもしれない。

 球宴での出場機会は減っても、もちろん評価の高さは変わらない。今季の大谷の打撃成績は昨季よりも落ちるが、投手としての数字は向上している。アーロン・ジャッジ、ジャスティン・バーランダーといった球界の重鎮たちは、「大谷こそがMVP最有力候補だ」と口を揃えた。

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