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なぜ9イニング制? コーチャーズボックスの意外な起源は? など。つい話したくなる野球豆知識5選 (3ページ目)

  • 小林 悟●取材・文 text by Kobayashi Satoru
  • photo by Kyodo News

【4】コーチャーズボックスは野次飛ばし、視界さえぎりの防止のため

 1塁と3塁のファウルグラウンドには、コーチャーズボックスが設けられている。攻撃側のチームのランナーコーチが入り、打者、走者に指示を送るための区画だ。

「1880年代、それまで牧歌的だった野球がだんだん過激になっていきました。そこで、ルールブックには書いていないグレーゾーンをつくようなプレーを規制しようという流れがありました」

 当時はコーチャーズボックスがなく、それをいいことに塁線の間近まで出てきて相手ピッチャーに野次を飛ばす、ホームベースに近づきキャッチャーの視界をさえぎるなどやりたい放題。動揺したピッチャーがコントロールミスをしてしまうことも珍しくなかったという。

「相手をかく乱する代表格だったのが、セントルイス・ブラウンズのチャールズ・コミスキーとアーリー・レイサム。このふたりの振る舞いがあまりにひどいと観客からも相手チームからも苦情が相次いだのです。そこで、1887年にルールが改正され、ランナーコーチがピッチャーやキャッチャーに近づけないように動ける範囲が決められました。その後、レイサムは49歳で盗塁といういまだに破られることのない最高齢盗塁記録を打ち立て、コミスキーはホワイト・ソックスの球団オーナーになっています。よくも悪くも、このふたりは球史に残る名物おやじなんですね」

【5】両チームが一列に並んであいさつをする由来

 ところ変わって日本の話。ホームベースをはさんで両チームが一列に並び、脱帽して挨拶をする。いまでは見慣れた光景だ。このあいさつの起源はどこにあるのか?

「仙台在住の郷土史家、伊藤正浩さんがあいさつの起源について調査を続けた結果、1911年11月、旧制二高という東北大学の前身の学校であいさつが始まったことがわかりました。その理由は、野球が健全な競技であることを示そうというもの」

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