大谷翔平は巻き返せるか。新人王争いはヤンキースの若き大砲が最有力 (2ページ目)
その内容は、21球のうち17球がファウル。相手バッターに11球連続ファウルと粘られました。最終的には21球目にライトライナーで相手を打ち取ったものの、それはつまりフォアボールとならず、ずっとストライクを投げ続けたということです。コントロールが秀でているからこそ成し得た記録でしょう。
7月29日現在、バリアの成績は5勝7敗・防御率3.80。先発メンバーの関係で登板が終わるたびに登録抹消を繰り返す不規則な状況ながら、チーム3位タイの勝ち星を挙げています。ローテーションが定まらないチームの台所事情のなか、バリアは予想以上の戦力と言えるでしょう。
ピッチャーのタイプとしては、大谷選手のような速球派ではありません。バッターを圧倒してゲームを支配するピッチングではないのですが、バリアは間違いなくシーズン前半戦で活躍した今季注目の選手だと思います。
一方、ア・リーグのバッターで台頭してきたのは、ニューヨーク・ヤンキースのグレイバー・トーレス(21歳)です。名門ヤンキースの新たな二塁手として登場し、いきなりその名を広めました。
ベネズエラ出身のトーレスは2013年、シカゴ・カブスに16歳で入団。その後、2016年7月にアロルディス・チャップマンとのトレードでヤンキースに移籍します。そして2108年、トーレスはマイナーで開幕を迎えましたが、4月22日に21歳の若さで早くもメジャーデビューを果たしました。
すると、トーレスのデビューと同時にチームは快進撃を見せたのです。18試合を行なって、負けた試合は1試合のみ。17勝1敗という驚異の勝率に貢献し、チームも一気にア・リーグ東地区の1位に立ちました。
特に5月に入ってからのトーレスの活躍ぶりは、目を見張るものばかりです。5月21日のレンジャーズ戦では、ミッキー・マントルに次ぐ球団史上2番目の若さで1試合2ホーマーを記録。さらに5月25日のエンゼルス戦では、ミゲル・カブレラ、アンドリュー・ジョーンズ、アルバート・プホルズに次ぐ4番目の若さ(21歳163日)で4試合連続ホームランを記録しました。ちなみにこの記録は、ア・リーグでは史上最年少という快挙です。
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