ナ・リーグ決戦は「剛腕ダル&スーパーリリーバー前田」がダブル主演 (5ページ目)
一方、カブスはディビジョンシリーズ第5戦を9-8でナショナルズを下しました。ただ、その内容はクローザーのウェイド・デービスが7回ツーアウトから登板し、そのまま最後まで投げきっての薄氷の勝利でした。このような試合を見るかぎり、やはりカブスの問題はリリーフ陣の駒不足にあると思います。リリーフ陣はいずれも制球難に苦しみ、第5戦では6回以降にフォアボールで出した6人のうち、実に半数の3人をホームに返していました。
また、今シリーズでは8回のイニングにも注目です。レギュラーシーズンでカブスは8回にメジャーで4番目に多い計99失点を喫しています。ディビジョンシリーズでも8回に計5試合で10失点。カブスにとっては「魔の8回」なのです。
このような状況を考えると、やはり上原浩治投手の存在の大きさを改めて感じます。上原投手は大舞台の経験が豊富ですし、コントロールも抜群で、フォアボールを出して乱れるということがありません。制球力がいいので球数を抑えることができ、イニングをまたいで投げ続けることもできます。
はたして、上原投手はリーグチャンピオンシップシリーズで登板できるのでしょうか。その点も勝負を分けるポイントとなるかもしれません。
著者プロフィール
福島良一 (ふくしま・よしかず)
1956年生まれ。千葉県出身。高校2年で渡米して以来、毎年現地でメジャーリーグを観戦し、中央大学卒業後、フリーのスポーツライターに。これまで日刊スポーツ、共同通信社などへの執筆や、NHKのメジャーリーグ中継の解説などで活躍。主な著書に『大リーグ物語』(講談社)、『大リーグ雑学ノート』(ダイヤモンド社)など。■ツイッター(twitter.com/YoshFukushima)
5 / 5