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プレーオフのキーマンに浮上。
リリーフ前田健太がカーショウを救うか (7ページ目)

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu
  • photo by AFLO

 そしてもうひとりの日本人、前田健太投手(13勝6敗・防御率4.22)はポストシーズンでリリーフに回ることになりました。ただ、先発から外れたものの、前田投手がポストシーズンで大きなカギを握っていると思います。なぜならば、ドジャースの先発4人中、ダルビッシュ投手以外の3人が左ピッチャーだからです。

 ダイヤモンドバックスのゴールドシュミットは「ドジャースキラー」と称され、ドジャース戦では通算111試合の出場で打率.310・28本塁打・90打点という好成績を残しています。さらJ.D.マルティネスも「左キラー」として有名で、左の先発投手に対して打率.389。彼らのバッティングが火を噴けば、ドジャースの先発陣は早々に降板させられる事態となるかもしれません。

 もしそうなった場合、次にマウンドに立つピッチャーはロングリリーフという役目を託されます。また、相手チームは先発左腕を攻略するために右バッター中心の打線を組んでいるので、リリーフは右ピッチャーのほうが好ましい。となると、そのマウンドを受け継ぐのに、前田投手ほど適したピッチャーはいないのです。前田投手は右バッターに対して被打率.214なので、そういうデータからも非常に重宝されるでしょう。

 昨年のリーグチャンピオンシップシリーズには、カブスとドジャースが勝ち上がりました。今年も同じカードになるのか、それともナショナルズやダイヤモンドバックスが名乗りを上げるのか。今年のナ・リーグの覇権争いは例年以上に激しそうです。

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著者プロフィール

  • 福島良一

    福島良一 (ふくしま・よしかず)

    1956年生まれ。千葉県出身。高校2年で渡米して以来、毎年現地でメジャーリーグを観戦し、中央大学卒業後、フリーのスポーツライターに。これまで日刊スポーツ、共同通信社などへの執筆や、NHKのメジャーリーグ中継の解説などで活躍。主な著書に『大リーグ物語』(講談社)、『大リーグ雑学ノート』(ダイヤモンド社)など。■ツイッター(twitter.com/YoshFukushima

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