オールスター史上初。10年前の「イチロー伝説」を覚えているか? (4ページ目)

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu
  • photo by Getty Images

 7月10日、ア・リーグの攻撃から始まった第78回オールスターゲーム。イチロー選手は1番バッターとして先発出場しました。初回の第1打席、相手の先発ピッチャーは右腕ジェイク・ピービー。その年、19勝6敗・防御率2.54・奪三振240で投手三冠に輝いたサンディエゴ・パドレスのエースです。

 僕は個人的に、この第1打席に注目していました。なぜかというと、まずひとつは2006年の第1回WBCを思い出したからです。エンゼル・スタジアム・オブ・アナハイムで行なわれた2次ラウンドのアメリカ戦、イチロー選手は初回の第1打席でピービーから先頭打者ホームランを放ちました。その記憶が蘇ったので、この大舞台で再現されるのかもと期待していたのです。

 また、2004年にテキサス州ヒューストンで開催された第75回オールスターゲームでも、イチロー選手は初回の第1打席でホームランを意識したバッティングを見せていました。そのときは、あのロジャー・クレメンス(当時ヒューストン・アストロズ)からライトオーバーの二塁打を打っています。

 2007年は結局、ピービーからホームランこそ打てませんでしたが、見事なライト前ヒットを放ちました。さらに3回にも、当時ミルウォーキー・ブルワーズのベン・シーツからレフト前ヒットを打って2打数2安打。そして5回、イチロー選手は歴史に残る第3打席を迎えたのです。

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