野球はひとりでは勝てない。田中将大を支えるヤンキースの仲間たち (6ページ目)

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu
  • photo by AFLO

 昨シーズン、田中投手が先発したときにマスクを被ったキャッチャーは3人いました。当時レギュラーだったマッキャンとは15試合バッテリーを組み、そのときの防御率は4.17。2番手のオースティン・ロマイン(打率.242・4本塁打・26打点)とは9試合組んで防御率2.16。それらに対し、サンチェスとは8月以降にバッテリーを7試合組んで、その成績はなんと6勝0敗・防御率1.94だったのです。

 サンチェスは肩もすばらしく、36試合ながら盗塁阻止率は41%。オープン戦のトロント・ブルージェイズ戦でも1イニングでふたりのランナーの盗塁を阻止し、セカンドを守っていたスターリン・カストロ(打率.270・21本塁打・70打点)は「ヤディアー・モリーナを彷彿とさせる」と絶賛していました。田中投手との相性が非常にいいので、早い復帰が望まれます。

 開幕投手も務めた田中投手は、今年でメジャー4年目。シーズン終了後には契約を解除してFAになる権利(オプトアウト)を行使することもできます。成績によってはさらなる好条件も見込まれるので、2017年シーズンのピッチングは重要な意味を持つでしょう。はたして、田中投手は今年何勝を挙げることができるのか、ヤンキースの仲間たちの援護にも注目です。

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プロフィール

  • 福島良一

    福島良一 (ふくしま・よしかず)

    1956年生まれ。千葉県出身。高校2年で渡米して以来、毎年現地でメジャーリーグを観戦し、中央大学卒業後、フリーのスポーツライターに。これまで日刊スポーツ、共同通信社などへの執筆や、NHKのメジャーリーグ中継の解説などで活躍。主な著書に『大リーグ物語』(講談社)、『大リーグ雑学ノート』(ダイヤモンド社)など。■ツイッター(twitter.com/YoshFukushima

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