怪物左腕の靴下を白から赤へ。
MLBオフの「勝ち組」はレッドソックス (6ページ目)
最後は、ナ・リーグのチームを紹介しましょう。移籍市場の目玉選手がア・リーグへ移籍するなか、ナ・リーグのなかで「勝ち組」と言えるのは、中地区のセントルイス・カージナルスです。
成功したといえる補強ポイントは、FAのデクスター・ファウラーを獲得できたことでしょう。昨シーズンのファウラーはシカゴ・カブスの「不動の1番バッター」として活躍。ナ・リーグ6位の出塁率.393をマークするなど、チームの切り込み隊長として108年ぶりの世界一に大きく貢献しました。そのファウラーの加入によって、カージナルスの1番・センターのポジションは固定され、守備面もより強固となるでしょう。
なにより大きいのは、ライバル球団のカブスから引き抜いたという点です。2015年のオフには先発投手のジョン・ラッキーと外野手のジェイソン・ヘイワードを立て続けにカブスに奪われ、大幅に戦力ダウンさせられた過去があります。今回は仕返しとばかりに、ファウラーを5年総額8250万ドル(約94億6000万円)で引き抜きました。今年のナ・リーグ中地区はさらに面白くなりそうです。
著者プロフィール
福島良一 (ふくしま・よしかず)
1956年生まれ。千葉県出身。高校2年で渡米して以来、毎年現地でメジャーリーグを観戦し、中央大学卒業後、フリーのスポーツライターに。これまで日刊スポーツ、共同通信社などへの執筆や、NHKのメジャーリーグ中継の解説などで活躍。主な著書に『大リーグ物語』(講談社)、『大リーグ雑学ノート』(ダイヤモンド社)など。■ツイッター(twitter.com/YoshFukushima)
6 / 6