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怪物左腕の靴下を白から赤へ。
MLBオフの「勝ち組」はレッドソックス (2ページ目)

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu
  • photo by AFLO

 昨年メジャー全体で投球回数の多かった投手を見ると、プライスが230イニングで1位、セールが226イニング3分の2で2位、ポーセロが223イニングで6位。近年の傾向として、200イニング以上を投げたピッチャーの数で優勝チームが決まると言われています。そんななか、3人とも223イニング以上も投げているのですから、「今のア・リーグでもっとも強いのはレッドソックス」という評判もうなずけます。

 上原浩治投手(シカゴ・カブス)と田澤純一投手(マイアミ・マーリンズ)の抜けたブルペンの補強も、レッドソックスは抜かりがありません。ミルウォーキー・ブルワーズからトレードで獲得したタイラー・ソーンバーグ(8勝5敗13セーブ・防御率2.15)は、昨シーズンは抑えとして13セーブ、中継ぎとして20ホールドをマーク。さまざまなシチュエーションに対応できる万能リリーフ投手です。レッドソックスには絶対的クローザーのクレイグ・キンブレルがいるので、彼につなぐ中継ぎとして重宝されるでしょう。

 昨シーズンかぎりでデビッド・オルティスが引退しましたが、テキサス・レンジャーズでプレーしていたミッチ・モアランド(打率.233・22本塁打・60打点)を獲得してその穴も埋めました。2年連続でホームラン20本以上を打っている31歳の左打者で、新たな本拠地となるフェンウェイ・パークでは通算14試合でOPS(出塁率+長打率)1.061と高い数字を残している点も好材料。昨年は一塁手として初のゴールドグラブ賞にも輝くなど、攻守ともに期待できる選手です。このオフのレッドソックスは「投げる」「打つ」「守る」とすべての面で大幅な戦力の底上げに成功しました。

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