カブス108年ぶり世界一の裏に、凄腕フロント「5ヵ年計画」があった (5ページ目)

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu
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 さらに、昨年オフに4年総額5600万ドル(約62億4000万円)でFA移籍してきた35歳のベン・ゾブリスト。彼もベテランならではの存在感を放ち、ワールドシリーズ第7戦では延長11回に勝ち越しのヒットを打ってMVPに輝いています。昨年のカンザスシティ・ロイヤルズに続き、2年連続でのワールドチャンピオン。まさに優勝請負人です。

 そしてなにより、カブスのチーム作りで注目したいのは、将来を有望視された選手だけが戦力になっているわけではない点でしょう。

 それを象徴していたのが、ワールドシリーズ第7戦。延長11回、8-6でリードしたときにマウンドに上がったのは、メジャー2年目のカール・エドワーズ・ジュニアでした。彼は2011年、テキサス・レンジャーズにドラフト48巡目で指名された選手。メジャー全体では1464番目でプロ入りした無名のピッチャーでした。それが大事な場面で重要な役割を任され、ワールドシリーズのマウンドに立ったのです。

 さらに108年ぶりの世界一に輝く最後の瞬間、マウンドを託されたのは、7月20日にシアトル・マリナーズからトレードで獲得したマイク・モンゴメリーでした。彼も入団当初はまったくの無名で、これまで一度もセーブ機会に投げたことのなかったピッチャーです。

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