和田毅のライバルが大出世。高偏差値ピッチングで防御率トップを独走 (4ページ目)

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu
  • photo by AFLO

 さらに驚くのは、本拠地リグレー・フィールドで23イニング3分の1連続無失点という記録を打ち立てたことでしょう。カブスの本拠地は外野が狭く、シカゴ特有の強風によってホームランが出やすいスタジアム。そのようなピッチャーにとって厳しい場所で、この数字を残せたのはビックリです。

 ヘンドリックスは決して速いボールを投げるピッチャーではありません。しかし、彼はメジャー屈指と評される抜群のコントロールを持っています。2014年7月のデビューから56先発登板連続でフォアボールは3個以下。驚愕の安定感と言えるでしょう。

 シンカーとチェンジアップを武器に、相手バッターにゴロを打たせるスタイルは、デビュー当時から「グレッグ・マダックスの再来」と呼ばれていました。抜群のコントロールと頭脳的なピッチングで、メジャー通算355勝をマークしたマダックスのピッチングと非常にタイプが似ています。

 前述のとおり、ヘンドリックスはアイビーリーグに属する難関校のダートマス大学出身で、2013年には経済学の学位も所得している秀才。チームメイトから「プロフェッサー」と呼ばれています。彼自身、「マダックスの投球スタイルを学んだ」と語っているように、頭脳的なピッチングが彼の礎(いしずえ)となっているのでしょう。先発5番手ながら、対戦相手にとって実にやっかいなピッチャーだと思います。

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