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もう一度メジャーのマウンドへ。元巨人・村田透、渡米6年目の挑戦 (3ページ目)

  • 石原豊一●文 text by Ishihara Toyokazu
  • photo by Getty Images

 だが、これだけで村田の評価が地に落ちるというわけでもない。村田という投手の先発としての適性は、すでにインディアンズの組織全体に知れ渡っている。実際、彼はこの5年間、インディアンズのアフィリエーション(傘下のマイナーチーム)で、リリーフよりも先発としてその才能を発揮している。

 村田が今シーズンもこの球団と契約を結んだのは、自身の適性や特徴を把握しているがゆえであり、球団もマイナー契約時に「前年と同じ役割を期待している」とコメントしている。

 その役割とは、長いシーズンで必ず来るであろう、先発不足を埋める存在である。事実、昨年は突発的なダブルヘッダーに際して、先発の穴を埋める形で村田はメジャー初登板を飾った。今シーズンも昨年同様の役割をチームは村田に期待しているに違いない。そうでなければ、三十路を過ぎた「ベテラン」とマイナー契約を結ぶ理由がない。

 そう考えれば、このマイナーキャンプスタートや中継ぎスタートも、ある種の信頼がなせる業とも言えるかもしれない。「3A以上メジャー未満」の現状では、他球団が触手を伸ばしてくる可能性は低い。だから球団はマイナー契約を提示したのであり、中継ぎスタートも、開幕直後の3Aには、メジャーでの登板に向けて最後の調整を行なう先発投手のための椅子を用意しなければならないという背景があるからだ。

 彼らをメジャーに送り出したあと、本格的なローテーションが回りだす。ここに村田の名前が入るのは間違いないだろう。ここで、昨シーズンのようにコンスタントな成績を残すことができれば、ロースターに穴があく夏場にメジャー昇格の機会が巡ってくるに違いない。

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