投げるだけじゃない。メジャーが評価する前田健太の「多彩なウリ」 (4ページ目)

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu  photo by AFLO

 また、ナ・リーグはDH制がないので、前田投手のバッティングも生きてくるのではないでしょうか。高校時代には通算27本塁打を放ち、プロ1年目にはウェスタンリーグで打率.364を記録するなど、前田投手のバッティング能力は関係者の間でも高く評価されています。バントなどの小技も上手なので、打席に立つことは新天地でも負担にならないと思います。

 そして最後に注目したいのは、「投げ込まなくても大丈夫」という点です。かつて松坂投手などはキャンプでの投げ込みを制限されたことで、うまく調整できなかったという話があります。しかし前田投手は、「投げ込まなくても肩を作ることはできる」と語っています。メジャー流の調整方法にも合っているので、アメリカの野球スタイルにすぐ順応するのではないでしょうか。

 前田投手のウリはピッチングだけではありません。ずば抜けた野球センスの持ち主なので、きっとメジャー1年目からあらゆる面で活躍してくれることでしょう。

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プロフィール

  • 福島良一

    福島良一 (ふくしま・よしかず)

    1956年生まれ。千葉県出身。高校2年で渡米して以来、毎年現地でメジャーリーグを観戦し、中央大学卒業後、フリーのスポーツライターに。これまで日刊スポーツ、共同通信社などへの執筆や、NHKのメジャーリーグ中継の解説などで活躍。主な著書に『大リーグ物語』(講談社)、『大リーグ雑学ノート』(ダイヤモンド社)など。■ツイッター(twitter.com/YoshFukushima

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