川﨑宗則が再出発の地ブルージェイズで生き残るには? (4ページ目)
マイナー契約で再スタートを切った川﨑選手は、これらのライバルとセカンドのポジションを争うことになります。セカンドで定位置を奪うことは極めて難しいので、同時に川﨑選手は内野陣のバックアップ要員としての道を模索することも必要となるでしょう。
ただ、そこにも壁はあります。まずは、川﨑選手と同じく今オフにマイナー契約を結んだラモン・サンティアゴの存在です。35歳の大ベテランは、契約当初から内野陣のバックアップ要員としてキャンプに参加しています。出塁率は決して高くありませんが、様々なポジションで起用できるため、重宝される可能性があります。
そしてもうひとりは、スティーブ・トールソンという右打ちの31歳です。昨シーズン、相手チームが左投手を起用すると、左打ちの川﨑選手を下げて代打で出場していました。しかも昨年のトールソンは、内野のセカンド、ショート、サード、外野のレフトとライト、さらにピッチャーとして2試合に登板と、合計6つのポジションをこなしました。チームナンバー1のユーティリティプレイヤーも控えているので、川﨑選手のメジャー定着の道は容易ではありません。
日本人バッターの置かれた状況は各々違いますが、ぜひとも逆境を跳ね返してポジションをがっちりと掴み取ってほしいと願っています。
著者プロフィール
福島良一 (ふくしま・よしかず)
1956年生まれ。千葉県出身。高校2年で渡米して以来、毎年現地でメジャーリーグを観戦し、中央大学卒業後、フリーのスポーツライターに。これまで日刊スポーツ、共同通信社などへの執筆や、NHKのメジャーリーグ中継の解説などで活躍。主な著書に『大リーグ物語』(講談社)、『大リーグ雑学ノート』(ダイヤモンド社)など。■ツイッター(twitter.com/YoshFukushima)
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