2014.10.06

屈辱の14年目。それでもイチローがポジティブなワケ

  • 笹田幸嗣●文 text by Sasada Koji
  • photo by Getty Images

 ニューヨーク・ヤンキース、イチローのメジャー14年目のシーズンが終わった。142試合に出場したが、スタメンでの出場は95試合と、昨年の128試合から大きく減少。成績も359打数102安打、打率.284、1本塁打、22打点、15盗塁。安打数、本塁打、打点、盗塁は、すべて過去最低の数字となった。だが、イチローは実にポジティブにこの1年を振り返った。

まもなく41歳となるイチロー。来季はどこのユニフォームを着ているのだろうか

「いろんな経験をしてきて、いつか自分の支えになっていく経験はあると思いますが、もちろんその中に加わる時間だったと思いますね。今後、自分の支えになる時間だった。なかなかこれ以上はない、という時間かな」

 今季は開幕から控え外野手の立場だったが、4月は月間打率.357をマークし、5月は出塁率.388と存在感を示した。打率は7月中旬まで.300をキープし、走攻守において「イチロー健在」をアピールした。

 だが、左投手に対して打率.333と打ち込みながら、相手の先発が左投手となればマイナーから上がったばかりの右打者、ゼローズ・ウィーラーがラインナップに名を連ねることが多々あった。そんな起用の連続を「最初から最後までそういうことの繰り返しだった」と笑いながら、イチローはポジティブ思考に徹した。

「いやー、プラスに考えられることなんていっぱいありますよ。マイナスが思い浮かばないくらいですね」

 受けた屈辱をひた隠し、その悔しさを原動力に変えた。打率は昨シーズンの.262から大きく改善させ、今月41歳を迎えるにも関わらず、米メディアからは「来季も十分に戦える力を証明した。彼はいまだに走攻守において生産性の高い選手でいる」と絶賛された。