2014.02.14

外野手豊富なヤンキースがイチローを絶対に手放さない理由

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu photo by AFLO

 今オフ、ニューヨーク・ヤンキースは大型補強を敢行しました。まずは昨年の12月7日、ボストン・レッドソックスからFAになっていたジャコビー・エルズベリーを7年総額1億5300万ドル(約156億7000万円)で獲得。さらに12月19日には、セントルイス・カージナルスから同じくFAになっていたスイッチヒッターのカルロス・ベルトランと3年総額4500万ドル(約46億1000万円)で契約しました。この補強により、ヤンキースの外野手のポジションは、在籍しているブレット・ガードナー、そしてイチロー選手を含めた4人で争うことになったのです。

外野手を次々と獲得したヤンキース。イチローの立場はどうなるのか? 一気にふたりも外野手を補強したことで、「イチローは控え外野手か?」という報道が流れました。たしかに来シーズンのスタメンを、「レフト=ガードナー、センター=エルズベリー、ライト=ベルトラン」と予想しているメディアも多く見られます。しかし、イチロー選手は決して「控え外野手」という扱いではありません。そこで今回は、「イチロー選手がいかにヤンキースにとって必要か」という点にスポットを当てたいと思います。

 まず、イチロー選手が他の3人(エルズベリー、ベルトラン、ガードナー)より秀でている点は、外野の全ポジションをこなせる「守備面」です。前出の3人とも、かつてはセンターを中心に守っていたので、守備範囲が狭いというわけではありません。ただ、イチロー選手のように全ポジションに対応できるだけの経験は少ないのです。チームを構成する場合、外野の全ポジションを守れる選手が必ずひとりは必要となります。シアトル・マリナーズ時代のイチローは主にライトを守っていましたが、2012年7月のヤンキース移籍後はセンターやレフトも難なくこなしています。このように高い守備力を誇るイチロー選手は、チーム構成上、欠かせない存在と言えるでしょう。