【MLB】中島裕之、メジャーへ。オススメの球団はこの2チーム!
念願だったメジャーリーガーへ。中島裕之の新天地はどこになる? 昨年オフ、入札したニューヨーク・ヤンキースとの交渉がまとまらず、メジャー移籍を断念した中島裕之選手が、ついにメジャーリーガーになる夢を叶えようとしています。現在、複数の球団が中島選手に興味を示していますが、まずは契約がまとまることを願うばかりです。ただ、メジャーリーガーになるだけでは、意味がありません。レギュラーの座を手に入れることこそ、中島選手に課せられた最初のステップです。そこで今回は、中島選手がレギュラーになれる可能性の高そうなチームを考えてみたいと思います。
まず、中島選手がメジャーに挑戦する上で念頭に置かなければならないことは、本職のショートだけで勝負するのは簡単ではないという点です。過去、日本人内野手でショートの定位置を掴んだのは、2004年にニューヨーク・メッツと契約したメジャー1年目の松井稼頭央選手、ひとりだけです。しかも松井選手は、シーズン途中で二塁にコンバートされました。ショートは何よりも『守り』を重視するポジションですから、相当高いレベルの守備力をアピールできないと、メジャーの遊撃手は務まりません。ミネソタ・ツインズに入団した西岡剛選手も、その壁に大いに苦しんでいました。
また、他の内野のポジションでもレギュラーの座を獲得するのは容易ではなく、過去を振り返れば、2005年と2006年にセカンドでスタメンを掴んだ井口資仁選手(当時シカゴ・ホワイトソックス)と、2007年と2008年にサードやセカンドを守った岩村明憲選手(当時タンパベイ・レイズ)ぐらい。日本人選手がメジャーで内野のポジションを確保するのは、非常に大変なことなのです。
ひとつのポジションだけを争うとなると、それに負けた場合、即バックアップ要員に回されるリスクがあります。複数のポジションを守れるのならば、レギュラーになれる可能性はグッとアップします。中島選手はショートもサードも守れるので、両ポジションの手薄なチームが狙い目ではないでしょうか。現在、そのような状況に当てはまるチームは、ふたつあります。それは、ナ・リーグ西地区のアリゾナ・ダイヤモンドバックスと、ア・リーグ西地区のオークランド・アスレチックスです。
まずダイヤモンドバックスは、サードとショートともに選手層が非常に手薄で、西地区で連覇を逃したのは、この両ポジションの不調が最大の要因でしょう。特にサードは7人もの選手を起用しましたが、7人合計の平均打率は.239。メジャー30球団中、最低の数字でした。今年7月にヒューストン・アストロズから獲得したクリス・ジョンソンという強打の三塁手も、移籍デビュー戦で満塁ホームランを放つなど出だしは好調でしたが、シーズン終盤は尻すぼみに終わっています。2012年、サードのポジションで強烈なインパクトを残した選手は皆無でした。
1 / 2
プロフィール
福島良一 (ふくしま・よしかず)
1956年生まれ。千葉県出身。高校2年で渡米して以来、毎年現地でメジャーリーグを観戦し、中央大学卒業後、フリーのスポーツライターに。これまで日刊スポーツ、共同通信社などへの執筆や、NHKのメジャーリーグ中継の解説などで活躍。主な著書に『大リーグ物語』(講談社)、『大リーグ雑学ノート』(ダイヤモンド社)など。■ツイッター(twitter.com/YoshFukushima)