【MLB】中島裕之、メジャーへ。オススメの球団はこの2チーム! (2ページ目)
一方、ショートのポジションでは、今オフにアスレチックスからトレードでクリフ・ペニントンという選手を獲得しました。ただペニントンも、レギュラー当確というほどの選手ではありません。よって、サードもショートも、レギュラーの座はまだ空いています。
そんな背景もあり、ダイヤモンドバックスのケビン・タワーズGMは今オフの最優先課題として、現在も「三塁手と遊撃手の獲得」を挙げています。しかし今年のFA市場は、両ポジションともに人材難。そのため、外国からの選手獲得も視野に入れているタワーズGMは、今年8月に来日しました。来日の理由について、タワーズGMは「日本人選手を獲得するため」と明言しています。中島選手に注目しているのは、紛れもない事実でしょう。もし中島選手がダイヤモンドバックスに入団すれば、レギュラー最有力候補のひとりとなるのではないでしょうか
また、ア・リーグの西地区で連覇を狙うアスレチックスも、サードとショートの補強が今オフの緊急課題です。中でも最優先なのは、遊撃手の確保でしょう。ショートのレギュラーだったスティーブン・ドリューがFAとなったので、再契約できなければその穴を埋めることが必須です。しかしながら、今年のFA市場には前述したドリューと、サンフランシスコ・ジャイアンツで大活躍したマルコ・スクータロしか目ぼしい遊撃手がいません。さらに、アスレチックスのサードを守るジョシュ・ドナルドソンもキャッチャーからコンバートしたばかりなので、来年も好調を維持できるかは不透明。そういった状況を考えると、中島選手がアスレチックスでレギュラーを獲れる可能性も、十分にあると思います。
他にも複数のポジションではないのですが、内野手を探しているチームはいくつかあります。サードを探しているのは、ケビン・ユーキリスがFAとなったホワイトソックス、同じくタイ・ウィギントンがFAのフィラデルフィア・フィリーズ、そしてチッパー・ジョーンズが引退したアトランタ・ブレーブスなど。一方、セカンドを欲しているのは、スクータロがFAとなったサンフランシスコ・ジャイアンツです。
もちろん、サードを守るなら長打力が必要ですし、セカンドも高いレベルの守備と打撃力を求められます。ワールドチャンピオンとなったジャイアンツに中島選手が入団するとなれば、それはそれで非常に興味をそそられます。しかしまずは、複数のポジションでレギュラーになれる可能性の高いチームに行くことが先決です。メジャー経験のない中島選手からすれば、チャンスが多いに越したことはありません。最終的に中島選手がどの球団と契約するのか、その決断に注目したいと思います。
著者プロフィール
福島良一 (ふくしま・よしかず)
1956年生まれ。千葉県出身。高校2年で渡米して以来、毎年現地でメジャーリーグを観戦し、中央大学卒業後、フリーのスポーツライターに。これまで日刊スポーツ、共同通信社などへの執筆や、NHKのメジャーリーグ中継の解説などで活躍。主な著書に『大リーグ物語』(講談社)、『大リーグ雑学ノート』(ダイヤモンド社)など。■ツイッター(twitter.com/YoshFukushima)
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