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【高校野球】甲子園を沸かせた「ミラクル市川」の魂は消えない 3校統合で誕生した青洲高校が築く新たな伝統 (3ページ目)

  • 内田勝治●文 text by Katsuharu Uchida

 昨夏の2回戦で0対2と接戦を演じた相手だったが、新チームとなり、ひと冬越えてから歴然たる差を見せつけられた。保護者の協力を得て、練習中の補食に力を入れるなど、私学選手に負けない体づくりを目標にやってきたが、「細かい数値を見てみると、日本航空さんやほかの私学にもまだまだかないません」という。

青洲高校・大森蒼太主将 photo by Katsuharu Uchida青洲高校・大森蒼太主将 photo by Katsuharu Uchidaこの記事に関連する写真を見る

【目指すは「令和のミラクル」】

 それでも下を向いている暇はない。夏の戦いはもう間もなくやってくる。大森蒼太主将(3年)は力強く前を向いた。

「夏は力の差を埋めてリベンジしたいという思いがあります。私立を倒したいという思いを持って青洲高校に入りました。伝統ある高校が統合されて新しい高校にはなりましたが、その伝統を忘れずに自分たちのプレーをやっていきたいです」

 佐野監督も「我々指導者も含めて、もう一回いろんなことを勉強し直しです」と、敗戦の原因を選手だけのせいにせず、自らの指導法やチームのマネジメントも含めてアップデートしていく覚悟を示した。

「選手は練習でやってきたことを一生懸命出そうと頑張ってくれています。うちには指導者もたくさんいるので、ちゃんとミーティングなどを重ねながら、もう一度指導者たちもひとつになっていければなと思います」

 フィジカルで私学に対抗するのは難しい。春の大会後は、基本を反復、徹底するところから、甲子園出場の糸口を見いだしてきた。

「守備ならしっかりと守る、バッティングならバットを振る、体を大きくするなら筋力アップをするという、本当に基本的なところをもう一回徹底していきたいです。足元を見つめ直してやっていきたいと思います」

 青洲ナインが目指すのは、OBたちの記憶を塗り替える「令和のミラクル」だ。白地のユニホームに刻まれた「SEISHU」の胸文字が、聖地に映えるその日まで、峡南の風を背に受けた彼らの挑戦は、この夏、最も熱い本番を迎える。

著者プロフィール

  • 内田勝治

    内田勝治 (うちだ・かつはる)

    1979年9月10日、福岡県生まれ。東筑高校で96年夏の甲子園出場。立教大学では00年秋の東京六大学野球リーグ打撃ランク3位。スポーツニッポン新聞社でプロ野球担当記者(横浜、西武など)や整理記者を務めたのち独立。株式会社ウィンヒットを設立し、執筆業やスポーツウェブサイト運営、スポーツビジネス全般を行なう

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