【高校野球】大阪桐蔭が「決勝不敗神話」継続で通算10度目の日本一 指揮官の強気なサインに対応した準備力と実行力 (3ページ目)
智辯学園にも、その"ヒント"に気づいていた選手はいた。セカンドの志村叶大(かなた)だ。
「(仲原は)1球目はスタンスが開いていたのに、2球目は開いていなかった。バスターだなと思い、(バントシフトの時よりも)二塁ベース寄りに守ったのですが、打球が想像以上にセンター方向に来て、捕れませんでした」
志村は懸命にダイビングしたものの、わずかに届かず打球はセンター前へ。前の回に同点本塁打で智辯学園に傾いた流れを、再び大阪桐蔭へ引き戻す一打となった。
送りバントを使わなかったことに関して、西谷監督はこう言った。
「春なので、本当の力はない。動かしていくほうが、何か起こるかなと。セオリーなら送りバントを選ぶ場面もありましたが、この日は『みんなで攻めよう』と伝えていました。私のサインで攻めるという意図が伝わればいいと思い、強気なサインを出しました」
内海も仲原も、準々決勝で決めた谷渕も、大阪桐蔭の選手たちは全員がこう言って胸を張った。
「毎日、バスターもエンドランも練習しています」
フライを上げないためのコツを尋ねると、谷渕は「上体や手先だけに頼らず、足で打つ意識を持っています」と語り、仲原も「下半身で打つことを意識しています」と話した。
監督の"強気な"サインに応える準備が整っていた大阪桐蔭。一方で、準備(予測)ができていたようで徹底しきれなかった智辯学園。準備と実行力の差で上回った大阪桐蔭が、決勝無敗の神話を継続し、春夏通算10度目の優勝に輝いた。
著者プロフィール
田尻賢誉 (たじり・まさたか)
1975年、神戸市生まれ。学習院大卒業後、ラジオ局勤務を経てスポーツジャーナリストに。高校野球の徹底した現場取材に定評がある。『明徳義塾・馬淵史郎のセオリー』『弱者でも勝てる高校野球問題集173』(ベースボール・マガジン社刊)ほか著書多数。講演活動を行なっているほか、音声プラットフォームVoicy(田尻賢誉「タジケンの高校野球弱者が勝つJK」/ Voicy - 音声プラットフォーム)でも毎日配信している。
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