【高校野球】グラウンドに鳴り響く「パワーホール」 弱小校を強豪校へと変えた神戸国際大付・青木監督の"プロレス野球" (2ページ目)
【25歳で母校の監督に就任】
1989年に母校・八代学院野球部のコーチに就任し、翌90年夏の大会後、25歳で監督になった。そこからチームづくりと生徒指導に明け暮れる日々が始まった。当時は"手ごわい"生徒も少なくなかったが、「何か大きなことを成し遂げてやろう」というエネルギーに満ちた選手も多かった。
プロレス界では"維新革命"を起こした長州力がアントニオ猪木超えを果たすなど、一大ブームに沸いていた時代。長州のテーマ曲『パワーホール』などをグラウンドに響かせながら、選手たちを徹底的に鍛え上げた。
一方で、校名を広め、野球部の存在を知ってもらおうと、密かなPR活動にも力を注いでいたのもこの頃だ。飲みに出た帰り道、タクシーに乗ると、こう運転手に話しかけていたという。
「夏の大会が近づくと、『今年の兵庫はどこが強いんですか?』と聞いたりしてね。そこで何番目かにウチの名前が出てきたらうれしかったし、こっちから『最近、垂水のあたりの学校が強くなってきたみたいですけど』と話を振ることもありました(笑)」
2001年春の選抜での初出場を皮切りに、2005年春、2010年春、2014年夏、2017年春夏、2021年春夏と出場を重ね、今回が9度目の甲子園となる。振り返れば、昨秋は地区予選初戦で須磨翔風に1対0で勝利したところからのスタートだった。
兵庫大会は7試合を戦い、コールド勝ちは1試合のみ。1点差での勝利が2試合あり、総得点も36にとどまった。近畿大会後半から神宮大会にかけて見せた強打とは、やや異なる印象がスコアからも伝わってくる。
「でもね、どのチームも秋はそうだと思うんです。接戦で勝った次の試合が大味な展開になったり、その逆もふつうにある。試合も基本的に土日ごとで間が空くので、1試合ごとにチームのカラーがまったく違って見えたりして、僕らが見ていてもわからないんです。そのなかで、とにかく負けたら終わりですから、1つ勝って、また次の積み重ねでしたね」
兵庫1位で出場した近畿大会では、金光大阪、橿原学院(奈良)をそれぞれ3対1、3対0で下したあと、準決勝で大阪桐蔭を7対1、決勝で智辯学園(奈良)を7対6で撃破。打線が徐々に活発さを増し、神宮大会では中京大中京(愛知)に7対0、英明(香川)に6対2と快勝した。この2試合で5本塁打を放つなど、攻撃面の迫力が一気に増した。
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