北海道大学の軟式出身26歳が韓国プロ野球に入団 遅咲きの152キロ右腕・長大聖の挑戦 (4ページ目)
「空振りをとれる変化球の精度がもう一段上がったら、NPBにもドラフトされるはずです。となると、次は年齢の問題があります。即戦力レベルになるためには、プレーし続けるしかない」
【自身のポテンシャルにどう気づけるか】
今秋のドラフトを迎える頃には27歳になる。NPB球団の価値観では、食指を伸ばしにくい"オールドルーキー"である。
だが世界に目を向ければ、チャンスはいくらでも転がっている。アジア枠が新設された韓国や台湾、メキシコ、中南米のウインターリーグ、さらにはアメリカもある。色川氏が続ける。
「一般的な時間軸で言うと、 26歳で一生懸命野球をして道を切り拓こうとしていると聞くと、『いやいや、働いてなんとかせえ』と思うかもしれません。でも、野球選手としての魅力は30歳くらいまで深まっていきます」
アメリカに目を向けても、30歳でメジャーデビューという選手は少なからずいる。人にはそれぞれ成長のタイミングがあることに加え、野球の競技性を考えると、20代後半にかけて伸びる選手は多い。
成功のカギは、自身のポテンシャルにどう気づけるか。ところが自身の可能性が見えていない選手は、意外と少なくないと色川氏は指摘する。
「僕らスカウトには『この選手、めちゃくちゃいいじゃん。こうなれば、次はこのレベルまで行ける』と見えるのに、チームが勝つために押さえつけられて野球をやってきたあまり、『僕なんか、全然です......』という高校球児もいます。世界に出ることで日本や自分を客観的に見る機会が増えていくはずだし、自己肯定感も上がると思う。『あなたが思う以上に、あなたはすごいんだよ』というところに大聖自身が気づいて、どれだけ頑張れるかだと思います」
北大まで軟式野球に打ち込み、一念発起して硬式に挑戦。独立リーグの門をたたき、名門大学を留年してまで自身の可能性を模索してきた。もし今後就職活動をするなら、挑戦の道を選ぶ生き方に価値を見出す企業もあるはずだ。
身長188センチ、最速152キロの長大聖。名は体を表わすと言うように、韓国球界挑戦を足がかりに大成できるだろうか。
長(なが)という名字は、出身の北海道登別市でも決して多くなく、自身の家系しか聞いたことがないという。ぜひ、その名を轟かせてほしい。
著者プロフィール
中島大輔 (なかじま・だいすけ)
2005年から英国で4年間、当時セルティックの中村俊輔を密着取材。帰国後は主に野球を取材。新著に『山本由伸 常識を変える投球術』。『中南米野球はなぜ強いのか』で第28回ミズノスポーツライター賞の優秀賞。内海哲也『プライド 史上4人目、連続最多勝左腕のマウンド人生』では構成を担当。
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