北海道大学の軟式出身26歳が韓国プロ野球に入団 遅咲きの152キロ右腕・長大聖の挑戦 (3ページ目)
【硬式転向4年目で最速152キロ】
北海道大学工学部出身の長は、こちらが聞きたいことを先回りして答えてくれるほど、明晰な頭脳の持ち主だ。その誠実な受け答えからは、日々コツコツと努力を積み重ねてきた人物像が浮かび上がる。
練習の成果をはっきりと実感できるようになったのは、硬式転向4年目を迎えた昨季後半だった。8月に最速152キロをマークすると、その後の登板でも150キロ前後を安定して計測。8、9月のBCリーグ月間MVPにも選出された。
ドラフト直前の急成長だったため、もう少しNPB球団にアピールする時間がほしかったのではないか。
「そうですね。いい状態をもっと見せたかったのはありますが、まだ足りてない部分も自覚していたので。具体的にはフォークや変化球で三振がとれていませんでした。今のNPBのトレンドを考えたら、そういう球を投げられないといけないですし......。ちょっとまだ実力が足りないのもありますね」
自身の現在地をあまりにも冷静に見つめているがゆえに、どこか自信を持ちきれていないようにも映る。26歳という年齢もあり、2025年シーズンを最後に、長は野球をやめようと考えていた。
そこに新たな価値観を吹き込んだのが、同年から群馬球団の会長付特別補佐に就任した色川冬馬氏だった。
2024年まで茨城アストロプラネッツGMとして12選手をNPB&MLB球団に送り、翌年からミルウォーキー・ブルワーズの国際スカウトを務めている。新球団の蔚山に有力選手のひとりとして長の情報を送る一方、本人には海外挑戦という可能性を示した。
「僕が伝えたのは、成長期のタイミングは人生のどこで来るかわからないということです。それがたまたま長の場合、ここ1、2年で急速にプロフェッショナルなレベルにふさわしいものを持ち始めた。シンプルに言えば、遅咲きなんです」
色川氏がスカウト目線で長を見れば、先発投手として高い球速帯で安定して投げ続けられ、カウントや空振りをとれる変化球も評価できる。それだけに、「本当に惜しい」というのが本心だ。
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